185系

特集・コラム

活躍は第2章へ 定期も臨時もこなす「オールラウンダー」E257系の今後は?

2023.03.31

text:鉄道ホビダス編集部

’18.03.17 大糸線 信濃森上~白馬大池 P:桑原浩幸
(今日の一枚Memoriesより)

 2001年に中央本線を走る特急「あずさ」「かいじ」用として産声を上げたE257系。その後房総方面の特急にも500番代が投入され、各地で残っていた183・189系を置き換えました。JR東日本の直流区間を走る特急型電車を一気に新しくしたこのE257系。登場から20年以上が経過し、その活躍の場は徐々に移り変わりつつあります。そんなE257系の登場から現在、そして今後を探っていこうと思います。

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■中央線特急として登場したE257系0番代

 2001年5月。183・189系で運行されていた特急「あずさ」「かいじ」の置き換えを目的に落成したE257系0番代。「シンプルさの中でのくつろぎ」を車両開発のコンセプトに、特急列車に求められる基本的な快適性を向上させることを目的に登場しました。車体デザインには雪をいただくアルプスの山々、そしてりんごの花をイメージした白を基調に、四季の彩りを菱形模様で表現。これは沿線にゆかりを持つ甲斐国武田氏の家紋である「武田菱」をモチーフにしており、それぞれに桃色(春の花)、碧色(夏の木の葉)、黄色(秋の紅葉)、青紫(冬の山々)、銀色(八ヶ岳やアルプスの巓)をイメージしたものとなっていました。

 編成は9両の基本編成と2両の付属編成で構成され、9両の基本編成単独か、もしくは2両の付属編成を併結した11両で運用されました。そのため基本編成の新宿方先頭車は貫通構造のクハE257形100番代とし、11両組成時は2両付属編成の松本方先頭車クモハE257形と連結していました。ちなみにこのクモハE257形の運転台は連結時の入換でのみ使用することから、簡易的な構造で異彩を放っていました。

 183・189系を置き換えた後は、速達の「スーパーあずさ」はE351系、それ以外の「あずさ」「かいじ」はE257系0番代という2枚看板で長らく中央線特急の主力車両として活躍しました。さらに中央・青梅線系統と東海道線系統のライナー列車にも充当されたほか、長野〜松本間を走った快速列車の定期運用も担当していたこともありました。また、臨時列車や団体列車で使用されることも多く、この頃からすでに「オールラウンダー」としての頭角を現しはじめていたと言えます。

■房総方面の特急もリフレッシュ 500番代登場

 2004年夏には500番代が登場。これは房総地区の特急「わかしお」「さざなみ」で使用されていた183・189系を置き換えるため登場した番代区分。基本的には0番代の仕様を踏襲しつつも編成両数は5両とし、両端先頭車の貫通化といった車体構造および主要機器の一部を変更し、500番代に区分されました。

‘23.3.25 総武本線 亀戸 P:堀 裕一
(鉄道投稿情報局より)

 500番代の車体デザインは先代の255系のイメージを踏襲した3色で構成され、青は「太平洋をイメージする深みのあるブルー」、黄色は「千葉県の県花である菜の花のイメージの鮮やかな黄色」、白は「海をイメージするブルーの対比で、白砂、海辺のイメージ」としています。
 2004年10月より順次「わかしお」「さざなみ」に投入されたほか、翌2005年12月からは「しおさい」「あやめ」に投入され房総地区の183・189系はその活躍の歴史にピリオドを打ちました。さらに0番代と同様に朝夕のライナー列車にも導入され、E257系の活躍の場はさらに広がることとなりました。

■登場から20年が経過し運用に変化

 そんなE257系が導入されてから16年が経過した2017年、中央線特急にE353系が登場します。最初はE351系「スーパーあずさ」を置き換えた同車ですが、その後2018年からE257系0番代の運用も置き換えはじめ、2019年3月のダイヤ改正で中央線特急はE353系に統一され、E257系0番代は定期運行を終えました。
 500番代に関しては直接新型車が導入されてはいないものの、2015年の特急「あやめ」の廃止、そのほかの房総特急も近年では区間短縮、減便など縮小傾向にあることから余剰車が発生。波動運用として臨時列車に充てられることが増えてきました。

 そんな中で2019年以降からリニューアルを含む余剰車の転用改造が開始されます。それぞれ特急「踊り子」で使用していた185系の置き換えを目的として改造された2000番代(0番代由来)と、伊豆箱根鉄道にも入線する5両の2500番代(500番代由来)が登場。さらに波動用編成として0番代を改造した9両編成の5000番代と、500番代を改造した5両編成の5500番代も誕生しています。その後5500番代に関しては今年3月から特急「あかぎ」「草津・四万」での定期運用が登場し話題を集めました。

■今後も目が離せないJR東日本の特急型電車

‘23.3.18 東北本線 浦和~赤羽 P:大森岳人
(鉄道投稿情報局より)

 現在のE257系は、房総特急や東海道線系の特急「踊り子」「湘南」に加え、高崎線系の「あかぎ」「草津・四万」などで定期運用を行なっています。総製造数は249両を数え、現在も一部編成が余剰廃車(0番代に存在した付属2両編成×5本10両)となった以外の239両が運行中です。

 特殊な装備や機構を持たず、耐寒耐雪構造に加え当初から中央本線系での運行がメインであったことから、狭小トンネルにももちろん対応。9両編成や5両編成という臨時列車・特急列車で扱いやすい編成長などもあり、中央線特急からの撤退、房総特急で一部が余剰となってからも、改造を加えながらさまざまな運用をこなします。
 そして今後、「後輩」に当たるE259系や、E257系よりも前に登場し、経年が心配な253系や255系といったその他特急型の処遇も気になるところ。彼らの運用に変化が起こることで、E257系にその影響が来ることも可能性として大いにあります。

 0番代の登場から21年、500番代も18年が経過した現在ですが、今も直流線区の各地で定期特急に臨時・団体列車といった波動輸送まで手広く行なうE257系。今後もその汎用性の高さを活かした幅広い活躍に期待していきたいですね。

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