185系

特集・コラム

整頓の春!汚れた鉄道模型はどうしたら綺麗に?簡単塗装で蘇らせよう!

2023.03.23

text & photo:上石知足(鉄道ホビダス)

 幼い頃、右も左もわからずにペンでギトギトに色を塗ってしまったり汚してしまった模型…、「もう売り物にもならないから…」と処分する前に! 意外と素体は使えるものかもしれませんよ!?
 ということで、今回は春の整頓で「発掘」した鉄コレの再生に挑戦。塗装作業を中心にプラ製モデルの扱い方を学びつつ、キレイにリフレッシュしてみようと思います。とはいえ筆者は塗装は初心者同然。なるべく簡単なやり方を選んでチャレンジしてみました!

↓詳しいリフレッシュの工程はこちらでチェック!↓

■汚いってどのくらい汚いの?

 今回取り組むのは鉄道コレクションの豊橋鉄道1750系。模型をよく見ずとも、落書きやウェザリングの練習台にしたことでかなりなギトギト感が出てしまっています。さらに先頭部のダミーカプラーや車軸が欠品しており、とても「鉄道模型」とは呼べないくらいジャンクと化してしまっています。
 まずは塗装を落とすべく、車体から床板・窓パーツ・屋根板などを分解しておきます。

■魔法の液体「IPA」に漬け込む

▲ちなみに使ったIPAはまた再利用できます。捨てずに取っておきましょう。

 模型をあまりやらない人には聞き馴染みがないかもしれませんが、IPAといわれる液体に漬け込みます。これは「イソプロピルアルコール」と呼ばれるもので、主に消毒用に使われる液体です。ここへ模型を漬け込むと、化学反応により車体についた塗装がみるみる落ちていくのです。今回は時間にして約9時間半漬け込みました。古い模型は経年で塗装が固着していたりする場合がありますが、今回はこの程度ですんなり塗装が綺麗に落ちてくれました。
 落とす際は歯ブラシで軽く擦るようにすると簡単に取れます。また、失敗防止のため塗料をしっかりIPAの液体で落としてから仕上げの水洗いをしましょう。特にモールドの隅や窓廻りには塗料が残りやすいので要注意です!

 ちなみにIPAは市販され誰でも手に入るものの、強力な液体になるため、手荒れ防止の観点から触る際はしっかりゴム手袋を装着しましょう。

■模型は素の状態 いよいよ塗装へ…

 無事スッピン状態になった車体へいよいよ塗装開始です。持ち手として今回は専用品ではなくトイレットペーパーの芯を代用しました。ちなみに筆者はきっちりマスキングをして塗装をするのは今回が初めて。果たして成功するのか…?


 ちなみに今回は秘密兵器を用意。それがこのガイアノーツのイージーペインターです。好きな塗料を入れて、缶スプレーのように色を塗ることができるスグレモノです。初心者でも扱いやすい上に、粒子も細かく、調色も自由自在というものになります。

 さて手順としては、まずサーフェイサーで下地を吹き、乾燥させたのちまず帯色となるガイアノーツの[1023]名鉄スカーレットを吹きます。そして入念にマスキングをして今度はGM鉄道カラーの[C-28]アイボリーBを吹付け。塗り残しがないよう入念に吹いておきます。

■緊張のマスキング剥がし… いよいよ完成へ!

 そしていよいよマスキングをゆっくり剥がしていきます。塗料の吹き込みがないか緊張の一瞬、果たして初めてのマスキングは成功したのか…? 結果は多少の吹き込みや乱れはあったものの、概ね綺麗にラインが出ており成功と言える出来栄えでした。ですが、実際少し荒削りな技術なのも事実。これからもっと回数を重ねていって基礎の技術を磨いていく必要があるなと痛感した次第でありました。

 そして、ほぼジャンク状態だった鉄コレを塗装のやり直しとクリーニング、そして車輪の交換などでなんとか「鉄道模型」としての見た目を取り戻すことができました。今回のリペアで、エアブラシを使わずともスプレー系の塗料やアイテムを使うことでも綺麗にすることができるのがよくわかりました。
 そして経験した回数がものを言う模型工作の世界、こうした昔の品をリペアすることは車両が綺麗になるだけではなく、自分の技術向上にも繋がりまさに一石二鳥。家の奥底に眠る古びた模型たちは、ひょっとするとスキルアップにうってつけの「宝の山」かもしれません…。

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◆今月のRM MODELSは「再生」がテーマ!

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今月の特集は「持続可能な鉄道模型再生術」!増える鉄道模型の一方、旧製品となったり経年で輝きを失ってしまうコレクションがあるのも事実…。ここではそんなコレクションや中古・ジャンク品、過去に製作した作品を「再生」させ、末長く楽しむために大切な心得を紹介します!

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