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【やっぱり気になるお金の話】オフピーク定期券にバリアフリー料金… ダイヤ改正で変わる運賃の話題

2023.03.14

P:RM

 2023年3月18日に多くの鉄道会社で予定されているダイヤ改正。今回のダイヤ改正では、JRと私鉄各社の一部で「鉄道駅バリアフリー料金制度」の導入や、JR東日本での「オフピーク定期券」のサービス開始など、運賃にまつわる話題が多いのも事実です。今回はこの二つに焦点を当てて、ダイヤ改正以降どうなるのか見ていきましょう。

■鉄道駅バリアフリー料金制度の導入で変わる運賃

P:芦原やちよ

 「鉄道駅バリアフリー料金制度」は、国土交通省が2021年12月に創設した運賃制度です。これは、都市部の鉄道利用者に薄く広い料金を徴収し、それを活用することで現在進められている鉄道施設へのバリアフリー対策を加速させていくとしています。

 これにより、運賃はJR東日本を例ですと普通運賃はIC・きっぷ共に10円、通勤定期運賃は現行運賃に1.4%の値上げをした上で1ヶ月で280円、3ヶ月で790円、6ヶ月で1,420円が「鉄道駅バリアフリー料金」として券の価格に上乗せされる予定になっています。なお、通学定期券に関してはこの値上げの対象外となっており、家計負担への配慮としています。

 この鉄道駅バリアフリー料金制度は現在全国16の事業者が適用の届出を行なっており、そのうちJR東日本・東京地下鉄・西武鉄道・小田急電鉄・横浜高速鉄道・東武鉄道・相模鉄道・JR東海(東海道新幹線 東京〜品川間のみ。定期券は新横浜まで適用。)が、3月18日のダイヤ改正と同時に価格変更となります。

■うまく活用したいJR東日本の「オフピーク定期券」

 そんな中で、コロナ禍を経て多様な通勤スタイルが確立しつつある昨今において登場したのがこの「オフピーク定期券」です。最近よく駅の放送やポスターでも見かけることが多いこのオフピーク定期券というワードですが、いったいどのようなものなのでしょうか。

(JR東日本プレスリリースより)

 オフピーク定期券とは、2023年3月18日よりJR東日本の電車特定区間内の定期券でのみ対象となる新しい定期料金スタイルで、平日朝のピーク時間帯以外を定期券として使えるものです。価格は改定前の10%値下げしたものにプラスで鉄道駅バリアフリー料金加算額が上乗せされ、1.4%値上げする通常の通勤定期と比べて大幅に割安な定期券となりそうです。
 そのため、オフピーク定期券は鉄道駅バリアフリー料金を加算しつつも改定前の料金よりも安いということになります。参考に、営業キロ21〜25kmの定期料金を例とすると、現在の定期運賃が56,910円ですが、オフピーク定期券になると52,630円と4,280円も割安となる計算になります。さらに、1.4%の上乗せがされる改正後の通勤定期に至っては59,120円ともなるので、それらと比較するとより値下げ幅は大きいものとなります。

 ちなみに、ピーク時の判定は乗車駅の入場時刻で行なうこととなっており、改札を通った時点でオフピーク時間帯であれば、乗車駅が定期区間外でも経由と降車駅に定期区間が含まれていればオフピーク利用となされます。

◆詳しいオフピーク定期券の記事はこちらから!

3月18日から発売開始! JR東日本「オフピーク定期券」ってなに…?

 実際に出社はするけど朝ラッシュ時間帯には乗らないという人や、月に数回はラッシュ時に乗ることがあっても、結果的にオフピーク時利用が多いという人でも、改定後の通勤定期料金よりも約11.4%安い差額は大きいものとなるでしょう。
 なおピーク時間帯は入場各駅によって異なるほか、私鉄の乗り継ぎ定期などに関してはオフピーク判定駅が一部特殊な例もあるので、ダイヤ改正前に一度公式ページなどで今一度おさらいしておくと良いでしょう。

オフピーク定期券プレスリリース
オフピーク定期券特設WEBサイト

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