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2023年の鉄道はなにが起こる? いま押さえておきたい4つのポイント【開業編】

2023.01.06

 鉄道開業150周年に沸いた2022年も終わり、新しい年が始まりましたが、鉄道業界で今年予定されている動きをまとめてみました。旅行や撮影など、直前になると計画時には想定外の変化が起こることもありますので、早めにチェックしておきましょう。

注目ポイントを写真で見る!

・神奈川・東京・埼玉エリアを縦断する路線網が完成!
 まず、上半期最大のトピックスと言えば、やはり東急電鉄と相模鉄道の相互直通運転の開始ということになるでしょう。

 東急新横浜線として日吉-新横浜間、相鉄新横浜線として羽沢横浜国大-新横浜間がそれぞれ開業し、双方から行き来できる新路線として開業します。東急新横浜線には東急東横線・目黒線や都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道、東武東上線の車両も乗り入れることとなり、神奈川・東京・埼玉エリアの行き来がより便利になります。例えば、新横浜駅に直通する東武東上線に乗ると、川越から乗り換えなし、最短80分で新横浜駅から東海道新幹線にアクセスできるようになるわけです。

 一方で、行先の変化による乗客数の変化や、乗り入れ先でのイベントによる思わぬ混雑も起こるかもしれません。3月18日の開業に備えて、日頃利用している路線がどう変化するのかを意識しておく必要があるかもしれません。

 

・関西エリアの「拠点性」をさらに強化!
 続いて、JR大阪駅うめきた・西口エリアの開業にも注目です。うめきたエリアは旧梅田貨物駅にあたる約24ヘクタールの区域を指し、梅田線地下ホームを新設。新大阪駅から関空・紀勢本線方面を結んでいる東海道本線梅田支線が、大阪駅経由へとルートを変更します。

 これにより、特急「はるか」や「くろしお」が大阪駅に停車することになりますが、新大阪駅や西九条駅での乗り換えが必要な現在と比べると、例えば「はるか」であれば関西空港駅-大阪駅の所要時間が24分、「くろしお」の和歌山駅-大阪駅では33分も短縮されます。

 また、東海道本線・大阪環状線の高架下には大阪駅西口が設けられ、ホームの西側に作られている連絡通路を使ってうめきた地下口とつながります。大阪駅は関西エリアの拠点としての性格をより強めることとなりそうです。

 

・七隈線の博多延伸で起こる変化
 現在は橋本-天神南間を運行している福岡市地下鉄七隈線は、3月27日より博多まで延伸し、山陽・九州新幹線や福岡市営地下鉄空港線・箱崎線、鹿児島本線、福北ゆたか線と乗り換えができるようになります。

 この延伸による変化としては、空港線・箱崎線との乗換駅が、これまでの「天神駅・天神南駅」から「博多駅」に変わること。改札内での乗り換えが可能となるので利便性が高まりそうです。対して、乗換駅の変化によって一部区間では乗車料金の変化も発生するとのことで、延伸前後に利用する場合は確認をしておきましょう。

 

・あらゆる人が移動しやすい交通環境を目指して
 栃木県宇都宮市東部、芳賀町エリアに誕生する芳賀・宇都宮LRTも、1948年の万葉線(当時は富山地方鉄道高岡軌道線)以来、久々となる路面電車の新路線として高い注目度を誇ります。年齢や運転免許の有無にかかわらず市内を移動しやすいようにとの構想から準備が進むLRTは、宇都宮駅東口-芳賀・高根沢工業団地間に17の停留所を設け、普通列車で約44分、快速列車なら約37分で結びます。

車両は超低床式のHU300形。公募によって決定された「ライトライン」という愛称が与えられた車両の納入はすでに済み、8月の開業に向けて停留所などの整備と試験走行が行われています。

 

以上が、2023年に注目したい、「開業」にまつわる鉄道業界の動きです。続いてお昼頃にはデビューや新規投入が予定されている車両についてのポイントをご紹介しますので、こちらもお楽しみに!

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