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特集・コラム

「電車王国日本」の誕生(後編)【鉄道開業150周年を2分で振り返る その8】

2022.11.02

 前回のコラムでは日本の電車の歴史について、創成期から1950年代までをごくごく簡単にご紹介しましたが、1960~1970年代は国鉄の特急電車が発展した時期です。1967年には世界初の寝台電車581系が登場、1968年には特急の最高速度が120キロにアップするなど、技術の進化とともに用途の多様化が進んだ時期でもありました。

電車の進化を写真で確認!

 1973年に登場した381系は振り子式車両を採用し、カーブ区間で車体を傾けることで、スピードアップを実現しました。振り子式は1980年代に改良されて、全国各地の特急に採用されていきます。

 一方、現代の電車で制御方式の標準となっているVVVFインバータ制御は、1982年に熊本市電8200形で初採用されます。その後鉄道線でも研究が進められ、1986年に初めての量産車として新京成8800形が登場。以後、続々とVVVFインバータ車が誕生し、改良も進んでいきます。

 1980年に軽量ステンレス車体の量産車として東急8090系が登場したことを契機に、現在もステンレス車体の製造技術は進化を続けています。また、高コストにより採用が少なかったアルミ合金も、1980年代に入ると製造方法を工夫して安く作れるようになり、アルミ車体の電車がたくさん登場しています。

 高度成長期に私たちの生活に根付いた電車は、1970年代以降さらにその技術を進化させ、利便性だけでなく、個性豊かな車両の登場により、より多くのファンを生んでいったのです。

次回は「気動車のあゆみ」についてご紹介しますのでお楽しみに!

※本コラムは鉄おもに掲載された「カウントダウン鉄道150周年」を再編集したものです。

 

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