これまで様々な形式が登場してきた電気機関車ですが、中でも「名機と言えば?」の問いにEF58を挙げるファンは少なくないのではないでしょうか。1946年に製造が開始された当初のEF58は、貨物用のEF15と多くの共通部分を持ち、デッキ付きということもあり、現在のスマートな姿とは一線を画すものでした。
‘08.6.20 山手線 原宿 P:宮本和雄
EF58各車両の写真はこちらより
その後、1952年の増備機より、客車暖房用の蒸気発生装置の搭載と合わせて車体がスマートな流線形となり、ブルートレインをはじめ数多くの旅客列車のけん引を任されたEF58は、その姿を人々の記憶に深く刻んでいきます(初期製造のデッキ付きタイプも流線形車体に載せ替えられました)。
1958年までの12年間に製造されたのは全172両。落成前に貨物用へと仕様変更し欠番となった車両が3両あったため、ラストナンバーは175号機となりました。流線形車体として初期に登場したグループは面積が大きな前面窓を採用していましたが、その後窓のサイズが小さくなったり、Hゴム支持に改造されたものや、耐寒装備として前面窓の上にひさし状のツララ切りが設置された個体など、各機のディテールの違いも、研究家の探求心をくすぐるポイントと言えるでしょう。
1978年に廃車が始まったEF58ですが、各地の博物館や車両基地、そしてその一部は一般の方の所有により保存されており、今もその姿を見ることができます。中でも、10月30日に大宮の鉄道博物館に収蔵された61号機は特に人気が高い車両です。お召列車専用機として誕生した同機は、「ため色」と呼ばれる茶系色で、側面にはステンレスの帯、下回りや手すりなどの各部は磨き出しや銀色の塗装という格調高い外観は、当然ながらほかのEF58とは異なる雰囲気を持っています。同館には89号機も保存展示されていますので、見比べてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
鉄道ホビダスには、これまで多くの愛好家よりEF58の写真が投稿されてきました。一部ではありますが、その雄姿をお楽しみください。
EF58各車両の写真はこちらより
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