photo:青柳 明(RMM)/羽田 洋
text:鈴木重幸
日本国内の鉄道コンテナ輸送の歴史も60年を越え、積載するコンテナと共にそれを運ぶコンテナ車も多くの種類が存在します。特にコンテナ化が進んだJR以降の形式は多様で、それぞれ色とりどりのカラーリングで従来の貨車のイメージも破り、コンテナとともに目を楽しませてくれます。ここでは、JR化以降に登場または改造されたコンテナ車を16番、Nゲージでの完成品のリリースされている形式をカタログ的に紹介してみましょう。
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■コキ50000
新5tコンテナ(現在の12ftコンテナ) 5個積載可能、最高速度95km/hのコンテナ車として1971年に登場。車掌室付きで4個積載のコキフ50000も存在したが、1989年までに車掌室を撤去してコキ50000に編入され形式消滅。1991年より台車交換が実施され、全車グレー台車枠のTR223F化されている。なお、2018年3月のダイヤ改正でこのコキ50000形は全車引退している。
■コキ100・101/コキ102・103
JR化後に新世代コンテナ車として登場したコキ100系のうち、最初に登場(1988年)したのがコキ100・101で、4両ユニットで運用されるのが特徴。背高コンテナ積載のため床面高さはコキ50000より低い1000mmとされ、台車は110km/h対応のFT1となった。
翌1989年登場のコキ102・103はブレーキ装置の改良により別形式となったが、外観上は同ー。コキ102は増備途中から31ftコンテナ対応のため車体長がコキ103と同じ全長に延ばされ500番代に区分される。
■コキ104
コキ100系のうち1単位で自由度の高い運用を可能とした形式で、1989年に登場。3000両近くが製造され、現在最もポビュラーなコンテナ車と言える。さいたま新都心の建設残土輪送用私有貨車(5000番代)やセノハチの後部補機との連結用(10000番代)、また海上コンテナ用緊締装置取付改造車(Mマーク付き)といったバリエーションが存在したが、現在は全て一般車化の上混用されている。モデルにも恵まれ各社・各スケールのバリエーションも多くリリースされている。
■コキ105
コキ103の2両ユニット版と言え、構造もコキ103を踏襲。奇数・偶数番号車でユニットを組む。製造は1990~1991年の間に40ユニット80両に留まり、以後ユニット方式のコンテナ車は製造されていない。
■コキ106
1997年に登場したコキ104のマイナーチェンジ形式で、海上(ISO)コンテナの中でも20ftタンクコンテナなど重い積荷に対応するため台枠が強化されて側染の形状を変更、台車は軸箱支持がシェブロンゴム式のFT2となった。405番以降は塗色がグレーとなり、既存の車両も順次変更されている。
■コキ107
コキ200の設計を反映した新形式で、2006年に登場。側染の外観はコキ104に近いものとなった。手ブレーキハンドルの位置は在来コキ100系の側面から、プラットホームに面した場所での作業性を考慮して、コキ50000同様車端のデッキ部分に移動している。
■コキ110
新規格の15ftコンテナ4個積みに対応したコキ106のマイナーチェンジ車として2001年に登場。塗色は独特のからし色(黄色)。15ftコンテナは試験運用に留まったものの、本形式は現在でも他車に混ざって一般のコンテナ列車に運用されている。形態的にはコキ106に酷似するが、15ft用の緊締装置や台枠側面に縦補強がないなどの違いがある。
■コキ200
15mの全長と朱色の途色がユニークな、20ft〜40ftまでの海上(ISO)コンテナをはじめとする大型積載用で1999年に登場。以後2005年までに153両が製造され、全国から化成品輸送用の私有タンク貨車のコンテナ化及び高速化を推進した形式。
■コキ71
運用の効率化を狙って自動車輸送とコンテナ輸送兼用とした形式。小径車輪のFT11台車を履いた低床式で、1両に2組あるカーラックは、往路は一組に乗用車が4・5台、復路は12ftコンテナを2個積載可能。試作車2両(901・902)と量産車6両が製造された車両。
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※こちらの記事は『RM MODELS 189 2011年5月号』の記事から抜粋しており、製品情報には当時のものが含まれます。あらかじめご了承ください。