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特集・コラム

Nゲージでも旅情感じる「行き止まり」を。私鉄風頭端式ホームを鉄道模型で遊び尽くす!

2022.10.15

modeling & text & photo:根本貫史(RMM)

 起点や終点といったターミナル駅でよく見られる頭端式ホーム。周回するレイアウトプランが一般的な鉄道模型の場合、どういったプランを組めば頭端式が再現できるのでしょうか? ここでは、TOMIXのNゲージ線路システム「ファイントラッ ク」を使い、実際にレイアウトを組んで検証しました。

■頭端式ホームの基本構成

 頭端式ホームとは、基本的に2面以上のホー ムの一端が線路を渡らずに接続しているホー ムのことを言い、カタカナの「ヨ」の字状になっているのが特徴です。その形状から櫛(くし)形 ホームとも呼ばれ、日本では私鉄のターミナル駅でよく見られます。線路配置はホーム端部に合わせて行き止まりとなるので、入線した列車はそのまま折り返す形になります。そのため、 客車列車の場合は機関車を付け替える必要があるので、頭端式のターミナルでは入線時に推進運転や、プッシュプル運転をする例もあります。
 周回レイアウトが一般的な鉄道模型で頭端式 ホームを再現するには、周回する本線から分岐 して終端駅を設けるか、実物のように起点と終点を設けた「ポイントtoポイント」にすることで 実現できます。楽しみ方としては、周回運転のように走行する車両を手放しで眺めて楽しむよりは、駅が主役で複数の列車を交互に発着させるのが主体となります。ポイント操作や進行方向の切替など、より高度な運転が楽しめます。

■レイアウトプランを考えるには? 

 レイアウトプランは簡単に考えることができますが、実は運転をするとなると、目には見えない「電気的な問題」が生じる場合があります。 単線運転であればフィーダー1本で問題なく運転できますが、複線の場合は、電流の極性をよく考えないと、複線間を渡るポイントの境界で電流がショートすることがあります。これらの電気的な問題は、カタログやポイントの説明書でも詳しく解説されているので、それを参考にしながらプランを考えましょう。
 ここでは、できるだけシンプルに頭端式ホームが組み込めるプランをご紹介しています。電気的な問題を理解するため、まずは単線でプランを考えると良いでしょう。

■電流の極性切替や絶縁に使用する製品

 レイアウトプランが複雑になるにつれて問題となるのが電流の極性です。それを解決するのに役立つのが、ギャップジョイナーやギャップレールといった絶縁用の製品と、リバーススイッチやセレクタースイッチといった制御スイッチ類です。これらを組み合わせることで、 理想の運転が楽しめるようになります。

■市販ストラクチャーで 頭端駅を再現!

●木造駅舎のローカル頭端駅 その1

 さっそく市販のストラクチャーを使って頭端式ホームの ある駅を再現してみましょう。まずは簡単にジオコレの「駅前セット」の木造駅舎と島式ホームを使った作例です。ホー ムは1面2線なので、厳密に言うと頭端式とは少しタイプ が異なりますが、特に加工はせず、配置するだけで簡単に再現できます。地方私鉄の終端駅といった、郷愁を誘う風 情が魅力です。

●木造駅舎のローカル頭端駅 その2

 続いて上の作例をベースに、駅舎を「駅A 田舎風の駅」に 交換した作例です。ホームの配置は同じですが、駅舎もホームと同じ高さになるので、より頭端式のイメージに近付きます。この場合、島式ホームの端部にあるスロープは使用せず、駅舎側のホームにそのまま接続します。

●モダンな駅舎のローカル頭端駅

 さらに発展させて、より規模の大きい地方私鉄の終端駅を再現しました。ホームは「複線化対応ホームセット1」の対向式ホームを線路両側に配置し、完全な頭端式ホームにします。さらに駅舎には「劇場」 を使い、曲線的なデザインがモダンなモルタル造の駅舎を再現しました。

●私鉄風都会型頭端駅

 最後はより大規模な大手私鉄風の都会型頭端駅を再現しました。この作例では、 TOMIXのホームやストラクチャー類をベースに、ホーム端部はスチレンボードで自作するなど、加工や塗装が必要になります。ホームは3面2線の配置で、内部が見えるように屋根は設置しません。特定した私鉄ではなく、車両を変えるだけで各地の大手私鉄のターミナル駅の雰囲気が楽しめるようにしました。

■実際に頭端式ホームを組み込んだレイアウトで運転しよう!

↓詳しい運転の様子はこちらで!↓

 続いては実践編です。先程紹介した都会型 頭端式ホームを、木製パネル上に敷設した固定式レイアウトの中へ組み込んで、実際に運転し てみました。頭端式ホームはこのレイアウトの 「私鉄線」に組み込み、その私鉄線は単線リバー スのレイアウトにしました。単線とはいえ、大 手私鉄のイメージにしたかったので、あたかも 複線に見えるように仕立てました。

 いかがでしたか? 今回はNゲージによる頭端式 ホームを検証してみましたが、運転操作を中心に楽しむことができるので、一般的な周回エンドレス運転より飽きずにじっくり運転が楽しめます。電気的な問題が面倒かもしれませんが、 改めて鉄道模型の電流の極性を学習するのには 最適な題材かもしれません。ちょっとした「アタマの体操」がてら、ぜひ一度お試しください!

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