text & illustration:瀧口宜慎(RMM)
photo(特記以外):青柳 明(RMM)
長距離を走るブルートレインでは交流と直流の電化方式の違い、または非電化区間もあるなど、線区の特性による途中駅での機関車交換もまたファンにとってはロマンを掻き立てられる作業風景の一つでした。過去となってしまった九州行きブルートレインですが、そのほとんどすべてが関門海峡のある下関~門司を境に、直流→交直流→交流の各機関車による2回もの交換を行なっていました。今回はそんなブルートレインの一夜の宴を再現すべく、道床付きレールで手軽に構成した地方の中核駅クラスの配線を持つフロアーレイアウトで「富士・はやぶさ」の下り列車の下関でのEF66からEF81への交換の様子と、上り列車の門司駅での「はやぶさ」編成と「富士」編成の併結と機関車交換の様子を再現します。
今回用意したものはKATOユニトラック各種、ポイントはホーム以外の分岐は4番ポイントを使い、プラットホームはKATOの島式ホームを使いました。車両はTOMIXのスハネフ14・15、オハネ15、オハネ15 2000番代、A寝台のオロネ15 3000番代はオロネ25をそれと見立てた車両です。実車は「富士」と「はやぶさ」のそれぞれ6両を2編成つなげたものですが、レイアウトの規模に合わせ各1両減車して5両編成の全10両としました。機関車は同じくTOMIXの「さよなら なは・あかつき」セットに含まれるEF66、EF81 400番代、ED76に同社単品のED76を用意しました。
■下関駅の機関車交換を再現する!
▲8時32分下関到着。EF66は直ちに解放され側線へ引上げる。カプラーが合えばTOMIX解放ランプ付きレールやKATOのアンカプラーレールで自動解放を楽しむのもよい。
▲EF66の引上げが完了すると、待機していたEF81が5番線の「富士・はやぶさ」編成へと向かい連結される。
▲連結が完了、実物では6分間の停車時間でこの作業を行なう。この後、関門トンネルをくぐり抜け、門司で交流機のED76へ交換し、同時に熊本へ向かう「はやぶさ」と大分へ向かう「富士」の編成分割も行なわれる。側線の先に機関区を設けるとより実感的だろう。
実車の様子やより詳しい車両の動きはこちらから!
■門司駅の併結と機関車交換を再現する!
今度は熊本から上ってくる「はやぶさ」編成と、大分から上ってくる「富士」編成の門司駅での併結および機関車交換の再現を行なってみます。特筆されるのは、「はやぶさ」編成が門司到着後、客扱いをしたのちに乗客を乗せたまま一旦側線に引上げ、富士が到着。その後ホームに戻り「富士」編成と併結し、再び客扱いをするという珍しい作業が約30分にも及ぶ長時間停車の中で繰り広げられていました。ここでは先ほどと同様に簡略化したフロアーレイアウトで再現してみます。
▲18時46分、熊本からの「はやぶさ」が6番線に到着。ただちにED76が解放され、内側の側線に引き上げる。この時点で外側の側線には関門トンネル用のEF81が待機している。
▲ED76の引上げが完了すると待機していたEF81が6番線へ向かう。「はやぶさ」の客扱いはここで一旦止め、EF81と連結後乗客を乗せたまま側線に引上げる。
▲18時58分、大分方面からの「富士」が5番線ホームに到着。ホーム大分寄りに停車し、ED76は「はやぶさ」を牽引してきたED76の隣の側線に引上げる。
▲ED76の引上げが終わると引上げていた「はやぶさ」編成が5番線に戻り「富士」編成と連結する。連結が終わると「はやぶさ」は2度目の客扱いを開始する。
いかがだったでしょうか。この駅の配線は機関車交換に必要な最低限で再現したものです。もちろんあなたのアイデア次第でもっと大きな規模の駅としても良いですし、逆にもっと短い列車でミニマムに再現してみるのも良いでしょう。この再現例が、あなたのフロアーレイアウト運転をチョットばかりリアルなものとする参考となれば幸いです。
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