2022年10月14日、日本の鉄道は開業より150年の節目を迎えます。ここでは、編集部でセレクトした名列車の「お題」に対して、皆さんから投稿いただく写真で構成する「みんなで作る名列車アルバム」をお届けします。2回目のお題は、函館~札幌間の気動車特急「北斗」です。
■お題提出記事はこちら
◆9月末でキハ281系定期運行から引退…道内の看板特急「北斗」【鉄道150周年記念】みんなで作る名列車アルバム2
臨時北斗91号は「第二の振り子・キハ283」。
石勝線+根室本線(南千歳~釧路間)のスピードアップのためにキハ281系をスケールアップした振子式気動車のキハ283は1995年に1次試作車、翌1996年に2次試作車、同年より量産を開始して2001年まで製造された。
コマツ製の直列6気筒ディーゼルエンジンN-DMF11HZA形(総排気量・11,000㏄、出力・355 ps/2,100 rpm)を各車とも2基搭載し、併せて足回りは台車は制御付自然振子式でキハ281系と同じ曲線ベアリングガイド式のN-DT283形を採用。
脆弱な路盤ながら急曲線の多い根室本線に対処すべく、車体支持機構に枕梁を介在させるボルスタ付台車になり、前後の軸箱に繋がれたリンクがコーナリング時に伸縮して車軸を常に軌道と直角に保つセルフステアリング機構を組み込んでおり、車体の傾斜角度をキハ281系の5度から6度に拡大したため、半径600m以上のカーブでは本則+40km/hでの通過が可能である。摩耗によって生じる車輪回転数の誤差を検知して自動補正し、振子作動のタイミングのズレを解消するコンピューター制御機能も備えており、乗車率の高さから、運用開始当初は1編成の最大連結可能両数が9両であったが、増結が常態化したためコンピュータを改良して最終的には最大11両編成までの組成が可能となっていた。
これらの機能をふんだんに盛り込み、空調装置が屋根上から床下に移設された車体は徹底的な低重心化が行われて乗り心地を大幅に改善して、1997年3月のダイヤ改正から特急「スーパーおおぞら」として営業運転を開始し、札幌~釧路間の最短所要時間は、従来の183系気動車による特急「おおぞら」の4時間25分から3時間40分へと大幅に短縮し、狭軌用気動車として最速を誇った本系列は1998年には特急「スーパー北斗」、2000年には「スーパーとかち」の一部列車にも投入された。
時を経て、先輩分のキハ281に比べてスリムで軽量感あるFURICO283は、「おおぞら」から定期運用を離脱したものの、2022年度で引退するキハ183系に代わって「オホーツク」や「大雪」の任務に就く予定だ。
なお、本系列はキハ281系とは混結が可能である。再びキハ283「北斗」の姿も見てみたいものだ。’19.8.15 函館本線 大沼公園~赤井川 P:熊谷孝志【編集部追記】キハ283系の「スーパー北斗」は、定期運用としては1998~2013年まで設定されており、臨時列車としてはその後も見ることができました。