185系

特集・コラム

国産の名機が次々に誕生した旧型電気機関車の時代 【鉄道開業150周年を2分で振り返る その4】

2022.10.07

 1904年に国内初の電車が走り出して以来、“電化”の波は次第に大きくなっていきます。当然その波は旅客車両のみにとどまらず、貨車や客車を引く機関車の開発にも大きな影響を及ぼしていきました。本格的な量産が始まった最初の国産電気機関車は、1932年に登場した旅客用のEF53形と、1934年から製造が開始された貨物用のEF10形でした。どちらも直流電気機関車で、東海道本線を始めとした幹線で活躍。また、碓氷峠での運用を目指して開発されたアプト式電気機関車、ED42形も1934年から量産が開始されています。

名機が続々!旧型電気機関車たちをまとめてチェック!

 旅客用機関車は1936年に登場した流線型車体のEF55形を経て、1937年に蒸気暖房装置を搭載したEF56形に発展。貨物用はEF10形も改良されながら増備が進んでいきます。

 技術的にも成熟、パワーアップしたのが、1940年に登場した旅客用のEF57形と、貨物用のEF12形(1941年)で、どちらも戦前の傑作機と評されます。その後、第二次世界大戦が勃発しますが、当時開発されたEF13形には、機能の簡略化や製造工程の簡素化など、戦中の状況を反映したディテールが垣間見られるなど、EF10形から始まった貨物用電気機関車は、時代を映す鏡ともいえるのではないでしょうか。

 一方、戦後の旅客用機関車としては、いまも高い人気を誇るEF58形が1946年に登場します。1952年以降に登場した流線形の車体は当時としては画期的なもので、高速走行性能の高さも相まって、東海道本線をはじめ、東北本線や上越線、山陽本線といった各地の幹線で活躍しました。先日、鉄道博物館にてお召列車牽引用の61号機の常設展示が始まるというリリースが発せられましたが、こちらの公開を楽しみにしている方も多くいるのではないでしょうか。

 次回は、近代電気機関車の歩みをご紹介します。次回のコラムをお楽しみに!

※本コラムは鉄おもに掲載された「カウントダウン鉄道150周年」を再編集したものです。

150周年記念企画が盛りだくさん!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加