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イベントで見る“あれ”どうやって作っているの? プラレールの大型ジオラマの作り方を聞いてみた!

2022.10.06

 子どもだけでなく大人もついつい見入ってしまうプラレールの大型レイアウト。プラレール博などのイベントに展示されているのを見たことがある方もたくさんいると思いますが、いくらメーカーと言えど、あれだけ大きなレイアウトを組むのは簡単ではないはず。そこで、タカラトミーのプラレール担当さんに、その秘密を聞きに行ってみました!

 今回お邪魔したのは、10月30日から大型レイアウトの展示が始まった長崎駅。プラレール「いっぱいつなごう 西九州新幹線かもめ」のPRを兼ねた大型レイアウトを設置するタイミングで裏側を見せてもらいました。

気になる裏側の写真はこちら!

●少人数&短時間で完成させるために

 会場に到着すると、台となる長テーブルの横には、縦長の段ボールが並んでいます。箱にはそれぞれ「2022夏プラレールジオラマ」というタイトルとアルファベットの文字。そしてどうやら3人で設置するとのこと…。スペースを考えると「え!3人で?」というのが正直な感想でした。

 まずはラベルを確認しながら段ボールを開けていきますが、中から出てきたのはレールが付いた板。そう、実はそれぞれがレイアウトの一部分で、事前に8割ほど組んだ状態で板に固定し、会場へと運ぶというわけです。イベント展示の場合、そのまま置いておくとお客さんが触れるなどして壊れてしまう可能性もあるため、安全性を考慮してレールとレール、レールと土台の板がビス止めされています。全体の面積を何分割化し、各パートを固定した状態で持ち込めば、会場での設置がスムーズにできるというわけですね。

 あらかじめ決めた順番どおりテーブルに置いていきますが、この時点では各パートをつなぐレールがついていないので、車両を走らせることはできません。仮置きが済んだあとに、レールで各パートをつなぎ、最終的な微調整をしていく担当者さん。車両もセットしつつ、長テーブル5本分に展開された巨大レイアウトが、ものの1時間ほどで完成していく様子は、それだけでエンターテインメントでした。

●地図とにらめっこ

 また、今回の長崎駅イベントでは、直前の23日に開業した西九州新幹線を含む線路が正確に再現されたジオラマが作られたこともトピックスのひとつ。新幹線と在来線のホームが並び、各方面へと枝分かれしていく線路までが再現されたジオラマを目の当たりにして「リアルですね~」と話しかけると、「ありがとうございます! これは苦労したんですよ~」との返事が。共有された事前に資料をもとに組んだのだろうと想像していたのだが、話を聞いてみると、そんな単純な話ではないようです。

 よくよく考えると当然なのかもしれませんが、駅のレイアウトは事前には教えてもらえない極秘事項。そこで今回は、レール博士なる人物と一緒に地図を見ながら想像のもと作成を進めていったのだそう。もちろん場所はタカラトミー本社がある都内です。

ちなみに「レール博士」とは、イベントやウェブコンテンツのレイアウト制作で活躍するプラレールの専門家で、実際の風景から夢のあるファンタジープランまで、誰もが驚愕の作品を多数生み出してきた、まさにプロフェッショナル。ちなみに、長崎駅は構想から完成まで1か月間かかったそうです。

 西九州新幹線のホームへと通じるエスカレーターの近くに設置された長崎駅のジオラマ。これを見てからホームへ上がれば本物が待っているという感動も、そのリアルさでさらに高められているのではないでしょうか。実際、撮影中もこれから西九州新幹線に乗ろうという親子連れがジオラマを熱心に眺め、「次はホームに行ってみようよ!」と楽しそうに上がっていったのが印象的でした。今回の長崎駅に限らず、プラレールの大型レイアウトを見かけたら、様々な工夫で完成したのだと思い出してみてください。作品の見方が変わるかもしれませんよ。

●超絶レベルも! レール博士直伝のレイアウトにチャレンジしよう!

 また、先ほどご紹介したレール博士のすごさが分かるコンテンツが、プラレールのオフィシャルサイト内の「プラレールコンシェルジュ」で展開されているので、こちらもぜひチェックしてみてください。初めてのお子さんでも参考になるものから、実際の駅を再現した“大人げない(いい意味で!)”プランまで、レベル別にレイアウトの作り方がたくさん紹介されていますよ。

プラレールのHPはこちら

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