text & modeling:羽山 健
photo:羽田 洋
かつて485系は北海道から九州まで、まさに全国各地で女王として君臨した名車中の名車です。多くのレイルファンなら、自分だけの485系への思い入れがあることでしょう。 改めて「485系のどこがカッコ良いのか?」「自分は どこに485系の魅力を感じたのか?」…一度 自分の胸に手を当てて考えてみてください。そうしたらおのずと、ご自分の485系に手を加えるべきポイントが見えてきませんか…?
↓詳しい手順はこちらから!↓
■トレインマーク変換装置を交換しよう!
先代の485系から受け継がれた、KATO製品ならではの大きな魅力が「トレインマーク変換装置」と言えます。 これを別売り品(品番11-325)に交換してみます。 まずは車体から床板を分離し、その後座席パーツを床板から取り外します。そして座席パーツからライトユニットを取り外すと、標準装備のトレインマークを交換できます。
今回交換したのは青森運転所配置車のイメージで、北東北方面の特急「鳥海」「いなほ」「やまびこ」「はつかり」のセットをセレクト。かつて表定速度で俊足を誇った憧れの的でした。
■運転士を乗務させよう!
続いては運転士を「乗務」させてみます。屋根板とガラスを取り外し、運転室内に運転士人形をカットし乗せます。カットした高さによっては窓ガラスパーツが干渉したりするので、その部分に穴を開けたりして解消させます。
収まった状態を見てみると、なにより「進行!」と指差呼称しているポーズがちゃんとわかります!実はこれ以上座高を低くすると腕がなくなってしまうので、ガラスを削ってまででもこの高さを維持したかったのです。
■室内の枕カバーを再現しよう!
KATO製品では一部の例外を除いて室内パーツへ の色入れは行なわれていません。そこで今回はハセガワ製の「曲面追従半艶シートホワイトフィニッシュ」を貼り込んでみることにしました。何ヶ所か試しに貼ってみて、寸法の見当を付けます。今回は4mm四方でいけそうだと判断し、あらかじめ「賽の目切り」をしておいたものをピンセットで1枚摘み取ります。 1枚ずつ座席の枕部分に貼っていきます。基本的には シール的な素材で何度かは貼り直しも効くので、納得が いくまでやり直します。
これをすべての座席に繰り返しますが、やはり根気が必要です。しかし、このシートは今までのシールと違い 「曲面追従」がウリなので、経年で浮いてくる可能性は低いと思われます。また、水貼り式のデカールよりは、はるかに短時間で貼り込むことが可能です。窓越しの眺めは、苦労が報われる瞬間と言えるでしょう。
■床下の配管を付けてみよう!
国鉄時代の電車は、床下に太い配管が走っていて、メカっぽい魅力を醸し出していたものです。これを今回は銀河モデルの 「床下配管」「床下引通管」 パーツで再現してみます。写真は上3点が車端部用(用途によって3種)、下が床下中央部用。黒とグレー、それぞれ塗装済となります。
まずは中央部に付ける「引通管」から付けてみましょう。エッチングから切り出した後、両端にある接着部を90°曲げます。よく合うピンセットでつまんで、折り曲げればOKです。
続いて接着部に持っていきます。なお、配管は全車の両側面にあるわけではないので、実車資料もよく観察すると良いでしょう。
今度は車端の床下配管に取り掛かります。ちょっと複雑な折り曲げがあり、車端部に回り込んだ形状を作り出していきます。 その後、引通管同じように瞬間接着剤で接着します。カプラーの 動きに干渉しないよう確認しましょう。
■カンタンウェザリングに挑戦!
リアルな汚しを模型にも施す…ウェザリングもやってみたいけど、ちょっと ハードルが高いと感じている方もいると思います。そんな方におススメなのが、 タミヤのウェザリングマスター。3色セットで各種発売されていますが、ここで は「C」(写真右)を使いました。
付属のスポンジに粉を擦り込み、 車体にこすり付けていきます。使用した色は赤さび色です。 また、ブラシの方でなじませるように払うと、Nゲージの小スケールでも違和感の ない自然な仕上がりになります。
パンタから飛散する屋上の汚れも同じ色でだいたいOK。少しずつしか付着しない性質なので、一気にやりすぎてしまう危険も少ない技法と言えます。 本来は上からツヤ消しクリアーなどで定着させた方が良いのですが、その場合はまた各部のマスキングの必要も出てくるため、今回は「取れたらまた施工すればいい」という割り切りもアリかと思います。
■完成!
苦労して取り付けた床下配管が目立ってきて嬉しくなります。この記事の作例では、一切塗料を使っていないことにも注目してください。溶剤の臭いに気を遣う必要もなく、ここまでの仕上がりが得られるのです。
↓詳しい手順はこちらから!↓
※こちらの記事は『RM MODELS 212 2013年4月号』の記事から抜粋しており、情報は当時のものとなります。あらかじめご了承ください。