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特集・コラム

「駅」を訪ねて…長年の終端駅の地位を手放すのか…「ひたちなか海浜鉄道 阿字ヶ浦駅(その2)」

2022.09.18

取材日:’21.11.2
text & photo(特記以外):羽山 健(RM)
同行取材:遠藤イヅル 取材協力:ひたちなか海浜鉄道

 隔月刊行時代のレイル・マガジンで連載した「シーナリー散歩」。WEB編は「『駅』を訪ねて…」に再構成してお届けしています。2022年1月号では、茨城県の第三セクター鉄道・ひたちなか海浜鉄道を取り上げました。今回のWEB編では、前回の「その1」につづき、「阿字ヶ浦(あじがうら)駅(その2)」をご紹介します。

前回記事(阿字ヶ浦駅その1)はコチラ

レイル・マガジン2022年1月号(452号)書誌情報

かつての海水浴臨の名残の長いホーム
 阿字ヶ浦海水浴場は「東洋のナポリ」の異名を取り、夏場には非常に多くの海水浴客で賑わいました。かつては国鉄/JR常磐線から直通の海水浴臨時列車が入線していたため、ホーム有効長は実に7両分。1面2線ですが現在は駅寄りの方が前述の鉄道神社となったため営業には供されておらず、事実上は単式ホーム1面1線。しかも有効長3両分のところで柵ができ、そこから先は立ち入り禁止となっています。

▲駅の勝田寄りからホームを見たところ。ちょうど同駅止まりのキハ11-7が入線してきたところ。右手奥に鉄道神社キハ222の姿も。

▲駅の外(駅舎反対側)からホームを見たところ。キハ11-7の先頭部のところにバックミラーがあり、そこより手前側には列車は停まりません。

▲ホームは駅舎と反対側しか使われておらず、鉄道神社側線路の方はフェンスで仕切られています。真新しいホーム屋根と柵は、美乃浜学園駅開設に伴って整備されたもの。

 さてこの駅は1928年の全線開通以来、100年近く終端駅の地位を保ってきましたが、ここから国営ひたち海浜公園に向けて2駅分延伸するという計画が具体化しています。ホーム終端部の情景はもう長年変わっていなかったと思うのですが、工事が始まればあっという間に景色が変わっていくのかもしれません。

▲今はもう列車が停まることはない、ホームの最先端部を望んだところ。分岐器と側線もまったく使われていない様子。

▲柵越しに、線路終端部を見遣ったところ。無造作に古枕木を積んだような車止めがあります。

▲ホーム側壁も崩れかけているようですが、このちょっと「地の果て」感のある終端部から、延伸計画があるのです(次回記事にて)。

▲現在も供用されているホームと、使用停止されたホームとの間にはこれほどの高さの違いがあります。

▲蒸機時代の名残で、コンクリート製の給水塔が残されています。

▲近くにある温泉、釣り針と海藻、そして茨城県の代表的な鍋食材である、あんこうをモチーフとした書体となる駅名版。

「ほしいも神社」で干しイモを買ってみた!
 湊線沿線はサツマイモの一大産地で、名産の干しイモも人気があります。そして阿字ヶ浦駅すぐ近くの堀出神社では新宮として「ほしいも神社」を建立。「ホシイモノ(欲しいもの)は総て手に入る」そうです!

▲おめでたい金色の鳥居。

▲境内の休憩所内に干しイモの自動販売機があり、思わずおやつとして購入! おいしくて腹持ちも良く、クセになります。

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