185系

特集・コラム

皆さまからの写真投稿も募集! 新幹線への進化も間近…伝統の長崎行き特急「かもめ」
【鉄道150周年記念】みんなで作る名列車アルバム1

2022.09.21

 9月23日(金)に開業予定の西九州新幹線。その列車名は、在来線特急の名を受け継ぐ「かもめ」となります。長崎行き特急と言えば「かもめ」…その歴史を紐解いてみましょう。

▲現在の在来線「かもめ」の主力は、振り子式885系。P:矢野鉄男

 「かもめ」という列車名は、戦前に東京~神戸間を結ぶ「鴎」として短期間運転されたことがありますが、今の長崎行き特急との直接的なつながりはありません。今につながる「かもめ」は、1953年に京都~博多間で運行を開始した昼行の客車列車として誕生しました。この列車は1961年にキハ82系による気動車化がなされ、さらに行先が長崎・宮崎まで延長。はい、ここで「かもめ」の行先が長崎というパターンが出現したのです。実に61年も前のことになります。

▲「かもめ」時代のキハ80系の写真に代えて、同じ九州の「にちりん」。P:阿部郁夫

 この気動車「かもめ」は、1975年の新幹線博多開業で一旦は廃止となったのですが、翌1976年、長崎本線電化と同時に博多(一部小倉)~長崎間の電車特急として再登場。言うまでもありませんが、これが現行の「かもめ」運行ルートの始まりです。1年強のブランクこそありましたが、これは長崎本線電化工事の遅れによるものと言われており、本来ならタイムラグなしに移行する計画であったと言われています。

▲地平時代の長崎駅に顔を揃えた485系「かもめ」。近郊型電車421または423系の姿も。P:松尾よしたか

 国鉄時代の「かもめ」は485系による運行で、佐世保行きの姉妹列車「みどり」との分割併合を行う、全国的に珍しい運行形態であったことでも知られます。クハ481形200番代同士が顔を突き合わせて走行する様子にしびれたファンは多かったはず…! 国鉄型電車特急特有の高運転台構造の先頭車同士での連結は、長い間ここでしか見られないものでした。

▲783系では「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の3本立ての列車も存在しました。P:中司純一

▲「赤いかもめ」の写真に代えて、レッドエクスプレスの485系「にちりん」。P:藤田高士

▲885系の登場当初は、アクセントカラーが黄色でした。P:朝倉利雄

 JR化後は783系「ハイパーサルーン」が投入されたり、全身真っ赤な485系「赤いかもめ」が登場したり、今度は「白いかもめ」885系として振り子式車両が投入されたりと、九州内の在来線特急では間違いなく常に一目置かれる存在でした。現在は博多~長崎間で実に22往復が設定されています(ほかに区間運行の列車もあり)。

▲2011年に運行された、国鉄特急色485系による「リバイバルかもめ」。P:増田圭介

 西九州新幹線「かもめ」は、当面は武雄温泉~長崎間という短区間での運行となり、博多~武雄温泉間は「リレーかもめ」が「つなぎ」ます。鹿児島本線の「つばめ」の時と経緯がやや似ていますが、現時点では博多乗入れ時期が見えていないのが実情。「かもめ」が自由に羽ばたく日がまた来ることを、気長に待つことにいたしましょう。

 本シリーズでは、取り上げた列車について、皆さんからの秘蔵の写真を募集し、「みんなで作る」アルバムを構成したいと考えています! 今回の「かもめ」については、1953年の客車列車としての登場から現在(新幹線「かもめ」までも含む)に至るまで、時代や状況は問わず、「かもめ」が写っている写真であればOK! 皆さんの撮影エピソードや、「かもめ」に対する思い出なども添えて、ぜひご投稿ください!

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