特集・コラム

昔のプラレールは「情景部品」にあり!?ファンも唸る!知られざる名脇役的な小物部品たち。

2022.09.23

text & photo:なゆほ(@Nayuho6866

 60年以上の歴史があり、長年子供たちを中心に愛されている鉄道玩具の「プラレール」。近年は子供向け製品だけでなく、その親世代をターゲットにした製品も徐々に出てきている印象があります。そんな中プラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん に今回は特別ゲストとしてお越しいただき、長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回はプラレールの名脇役とも言える情景部品や小物部品などの知られざる古い製品に迫ります!(編集部)

この記事のすべての画像をみる


 プラレールの基本的な情景部品と言えば、駅や踏切、トンネルに鉄橋といった鉄道風景を作り上げる比較的大きめのストラクチャーがメインと言えるでしょう。そんな中、プラレールの長い歴史の中であまり注目されないながらも、存在感はしっかりある「名脇役」とも言うべき小型ストラクチャーが多く存在するのはご存知でしょうか?今回はそのような知られざる小物類たちを取り上げてご紹介していこうと思います。

■レイアウトを彩った標識や樹木の部品たち

 まずはこちら。1960年代のプラレールでは定番だった線路際の小物類です。発売当初はセット品の情景部品としてまとめて流通していたため、名称はその時々でまちまちとなっており、「標識」「遮断機」程度の区別しかありません。「標識」に含まれるのは踏切警標と勾配標と架空裸線路柱、通称ハエタタキの3つ。ハエタタキは1960年代当時の幹線の線路際でよく見られたので製品化されたのだと思いますが、勾配標はマニアックな印象があります。こちらはセット品のほか、「レイアウト部品」という小物類の詰め合わせセットでも入手できました。プラレールの情景部品が充実し始めた70年代初頭には一線を退き、1977年に発売された「レイアウトA」という小物類の詰め合わせに茶色に成型された「標識」が含まれたのを最後に絶版となっています。

 次に紹介するのは、レイアウトの見た目を彩る「樹木」系の情景部品です。左から「松の木」「立木」「並木」と名称が付いています。スケールモデルのジオラマやレイアウトでは重要な役目を持つ樹木ですが、ここはプラレールの世界。家の畳に刺して木を生やすわけにもいかないので、松の木と立木は赤い台座に設置します。並木はザラザラとした台座がついており、ほんのちょっとリアルな印象。松の木には葉をピンクで成型した「桜の木」というバリエーションが存在しますが、生産期間が短い情景部品の「牧場セット」にのみ付属していた超貴重品です。カラーバリエーションも多種多様で、先述の松の木を色替えした「桜の木」はもちろんのこと、立木と並木には紅葉と桜と雪化粧のものが存在します。

●衰退の道を辿る樹木系情景部品たち…

 松の木・立木・並木はそれぞれ含まれている商品が異なるため、1つの製品で揃えることは困難でした。そこで1977年にこの3つをセットにした樹木だけの情景部品「レイアウトB」が発売されていますが、1年足らずで絶版となってしまいました。残念ながら松の木はレイアウトBの絶版と同時の1977年に、並木は2000年代に絶版となっており、今や立木も絶滅寸前。2022年現在では「レールセットA」で1個だけ入手できます。

■「自動で」動作する信号機に今も定番の架線柱!

▲プラレールの数ある信号機系情景部品の中でも唯一手を触れることなく動作する「しんごうき」。

 続いてこちらは「しんごうき」という情景部品。プラレールの信号機はいくつか種類がありますが、これは1972年頃に発売された初期のギミック系情景部品になります。底面にある黒い突起の上に線路を置き、そこを列車が通過するとレバーを押して信号を変えてくれるという、手を触れずに動く信号機です。あまり長く生産される事はなく、1973年頃には絶版になっています。

▲「かせん」という名称の架線柱。単線のものは近年リニューアルされたものが登場している。

 電車を走らせる上で欠かせないのが電力、それを供給する架線、そしてそれを支える架線柱です。プラレールは電池で走るのでもちろん架線は必要ないのですが、情景部品としての架線柱は必須。おもちゃらしい赤い色で単線用と複線用が製品化されています。複線用が1968年に、単線用が1970年に登場し、以後定番の情景部品となっています。

■プラレールの歴史に潜む隠れた製品たち

 こちらは車両を買わないと入手できないタイプの小物。1980年に発売された、国鉄ク5000形貨車を模した「カートランスポート」に付属していました。余談ですが、何故かプラレールファンの間でも「カートランスポート」の名は全く知られておらず、「車運車」や、元ネタそのまま「ク5000」のように、なかなか製品名で呼ばれることがないちょっと不憫な製品です。

▲可愛らしい小さな「ファミリー人形」たち。女児もユーザーに取り込もうとしていたとか。

 最後に紹介するのは、この「ファミリー人形」。1980年代、女児もプラレールで遊べるようにと製品化されたものだそう。見方によっては現在のプラキッズのご先祖とも言えるでしょう。この人形に対応した製品もいくつか存在し、客車に乗せて遊べる「ファミリーりょこう サロンカー」や、車両が到着すると動力伝達により人形が動くギミックのある「まちの駅」(セット限定情景)が発売されていますが、あまり長続きはしませんでした。左からそれぞれ「駅員さん」「お父さん」「お母さん」「お姉さん」「ぼく」と名前が付いています。

 今回紹介した小物類を散りばめ、ちょっとしたプラレールの情景を組んでみました。カラフルな配色もあってか、線路際に物を置くだけでおもちゃと言えどグッとリアルさが増しますね。このような彩りを加えてくれるところが、彼ら情景部品の良さと言えるでしょう。

※記事で紹介した製品には絶版のものが含まれます。

この記事のすべての画像をみる

なゆほさんが公開しているWebサイト「プラレール資料館」はコチラ!

◆関連鉄道ホビダス記事はこちら!

ぼんやり灯る駅はどこか情緒的。「逸品」と名高い40年前のプラレールの駅にクローズアップ!

実車と同じ6両編成を再現できる! プラレールで西九州新幹線「かもめ」が登場だ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
185系