185系

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「もう駅じゃん!」 ついに完成した自作LED発車標 作った本人に製作の裏側を聞いてみた!

2022.08.31

modeling & photo:あせら(@pumpkinism113
text:鉄道ホビダス編集部

↓製作途中の様子や過去の作品写真はこちらから!↓

 先日、とある画像がTwitter上に投稿されて話題となりました。それがこの本物そっくりなJR東日本で使われるLEDの「発車標」の画像。駅ホーム上でよく見慣れたものだけに、そのリアルさと完成度の高さは目を見張るものがあります。今回ついに完成となったこのLED発車標ですが、製作された「あせら(Twitter ID:@pumpkinism113)」さんにインタビュー形式でお話をお伺いし、そこからこのリアルな発車標に込めた想いと、製作時の裏側に迫ろうと思います。

●製作期間とそのきっかけはどのくらいでしょうか?また、プログラムなども自作されたのでしょうか?

▲JR藤沢駅3番線の発車標をモデルに1:2スケールで再現した発車標。LEDパネルを「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」という小型コンピュータを使って制御しており、表示内容はなんとスマホなどのブラウザから変更可能となっている。

 実際の製作期間はトータルで半年程度です。電気的な部分やプログラムは自作となっており、2017年(後述のLED方向幕を完成させた直後)に概ね出来上がっていたのですが、筐体は自分にとってハードルが高く手が付けられずにいました。筐体の製作に着手したのは2020年で、途中約2年の中断を経て今回完成に至りました。 明確なきっかけはないのですが、以前から自宅に発車標を設置したいと考えていたことや、Raspberry Piによる電光掲示板の作例を知ったことなどが重なり、製作を思い立ちました。

●どのような表示が実際可能なのでしょうか?

 JR藤沢駅の3番線(東海道線上りホーム)に設置されている発車標を再現しており、列車の種別や行先、運行情報などが表示できます。時刻等は2017年頃の平日上りダイヤを使用しています。 なお、現在時刻や運行情報はスマホ等からWebブラウザで自由に設定できますし、実際の運行情報をリアルタイムで取得、反映させることも可能です。

●室内での展示方法などもし考えていましたらお願いします。

 現在は脚を取り付けて棚の上に自立させていますが、今後は実物同様に壁掛けにしたいと考えています。

●この電光掲示板にたどり着くまでに他に作られたものなどはありますでしょうか?

▲過去に製作した側面行先表示器。こちらも発車標同様にスマホから表示内容を変更することができる。リアルすぎる外装枠はなんと本物のステンレス!

 先述の通り、発車標に先立つ形でE233系3000番台の側面行先表示器(LED方向幕)を製作しています。基本的な仕組みはLEDパネルの枚数を除いてほぼ同じで、プログラムもその際に作成したものを大部分流用しています。

●この表示機で個人的にお気に入りの表示などがもしあればお願いします。

 

▲あせらさんが特にお気に入りだという朝の湘南ライナーの接近標示。動いている姿を見るとより「いつも見てるやつだ!」という感動がすごい。

 気に入っているのは朝の湘南ライナー(2号・14号)です。当ホームを発着する数少ない優等列車であること、首都圏で最後の国鉄型特急車両である185系で運行されていたことなどが理由です。

●また今後製作したいもの(表示器以外のものでも構いません)があればお願いします。

 新幹線車内の電光掲示板や、Nゲージ用の発車標を製作できればと考えています。

●これ以外で他にお伝えしたいことがありましたらお願いします。

 思いのほか多くの反響や共感をいただき非常に嬉しく思っています。今後、私の作品に触発されてさらに素晴らしい発車標を作り出す方が現れることを密かに期待しています(笑)。


 さらに今後も表示機系の作品製作をしていきたいと語ってくれたあせらさん。これからの活躍も非常に楽しみに思います。また、新たに別の発車標を作り出してくれる人も密かに期待しているとのことで、こちらを参考に画面の前の「腕に覚えのある」方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

▲それぞれの作品と、その詳しい仕組みがこちら(画像提供:あせら)。

 なお、あせらさんが製作した作品たちは2022年9月3日(土)・4日(日)に東京ビッグサイトにて開催される「Maker Faire Tokyo 2022」で展示予定となっています。この記事を読んで気になった方、実際に動作している実物の姿も見に行くことができるチャンスとなっています!
あせらさんの詳しい出展情報はこちら!

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