185系

特集・コラム

今日で開業30周年!シルバーの衝撃 初代山形新幹線400系は今どこに…?

2022.07.01

text & photo(特記以外):鉄道ホビダス編集部

‘18.12.25 鉄道博物館

 1992年、東海道新幹線で初代「のぞみ」300系が華々しくデビューした数ヶ月後、東北新幹線にもまたJR化後の新たな風が吹いたのでした。それが初の新在直通のミニ新幹線車両としてデビューした山形新幹線400系「つばさ」です。今日で30年の節目を迎えた山形新幹線と400系。今回はそんな両者の今について迫っていこうと思います。

■それまでの「新幹線」のイメージを打ち破った車両

‘18.12.25 鉄道博物館

 1992年7月1日の山形新幹線開業と同時にデビューした400系は、主に東北新幹線区間では「やまびこ」に併結をし、福島駅から先は単独でそのまま在来線へと直通する運行スタイルに加え、シルバーメタリックに窓廻りがダークグレーと緑色の帯という、それまで白色ベースばかりだった新幹線車両の塗装イメージを、大胆に打ち破るボディカラーが当時話題となりました。

■塗装変更を経て引退

‘10.4.18 東北新幹線 那須塩原 P:齋藤大暉
(鉄道投稿情報局より)

 デビュー後の主な変化としては、1995(平成7)に当初の6両編成から、付随車1両を増結し7両編成化されました。また、山形新幹線が1999(平成11)年に新庄駅まで延伸したのに合わせ、内装や塗装を中心とした大規模なリニューアルが全車に行なわれました。さらに併結相手も200系からE4系へと変更され、巨体のE4系と小柄な山形新幹線という凸凹コンビが見られるようになったのもこの頃です。

‘10.4.17 東北新幹線 大宮 P:福田智志
(鉄道投稿情報局より)

 こうして長らく山形新幹線の主力として活躍した400系でしたが、時代の波には逆らえず2008(平成20)年から順次E3系2000番代による置き換えが開始され、2010(平成22)年4月18日のさよなら運転をもって営業運転を終了しました。

■今の山形新幹線は…?

‘22.6.21 東北新幹線 東京

 現在、山形新幹線は全てE3系による運行となっており、1000番代が3本、2000番代が12本の計15本体制で運用されています。併結相手は現在E2系「やまびこ」に統一されており、東北新幹線内では堂々17両編成で運転されています。また2022年7月現在、E2系はJ66編成1本が200系カラーとなって運行されており、E3系「つばさ」との併結運用も見られることから、このペアを狙って見に行ってみるのもいいかもしれませんね。

■初代山形新幹線400系は今どこで会える?

‘18.12.25 鉄道博物館

 400系は1両のみ保存車が存在します。それがこの鉄道博物館にある「411-3」です。この411-3は、400系ラストランを担当したL3編成の東京方先頭車でグリーン車となっています。内装こそリニューアル化後のままですが、塗装はデビュー当時のカラーリングに復元されており、30年前の山形新幹線開業直後の頃を感じることができます。また隣には、現役時代同時に存在した期間が僅かなE5系の実物大モックアップ先頭車も展示されています。館内には400系旧塗装とE5系という時空を超えた並びが展開されています。

▲保存されている411-3のグリーン車車内。1列+2列の座席配置となる(通常は非公開)。

P:松沼 猛

▲こちらも同じく411-3の運転台。パネル類が所狭しと並んでいる(通常は非公開)。

P:松沼 猛

▲窓に反射する400系と屋外に保存されるE1系が顔を合わせる。かたや新在直通ミニ新幹線車両として、かたやオール2階建て車両として、それぞれパイオニアとなった同士だ。

‘18.12.25 鉄道博物館

 また、窓の外を見るとほぼ同世代となるオール2階建て新幹線「Max」のE1系が400系と顔を合わせるように鎮座しており、90年代にJR東日本が生み出したエポックメイキングな新幹線を同時に見学することができます。

■山形新幹線開業30周年にあわせてイベントも開催!

 そんな山形新幹線開業30周年に際して、鉄道博物館ではイベントも開催されています。7月には連結器や車内の公開イベントも予定されております(車内公開は抽選になります)。詳しくは下記公式リリース、または鉄道博物館公式ホームページをご確認ください。

鉄道博物館 東北新幹線開業40周年&山形新幹線開業30周年イベント案内
鉄道博物館公式Webサイト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加