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特集・コラム

新・旧、違いがわかりますか…?昔とどこがどう変わった!?KATOの新しいワム380000!

2022.06.28

text:鈴木重幸
photo:羽田 洋

■国鉄2軸貨車の代表形式

 パレット積込輸送に対応した2軸有蓋貨車として、1960(昭和35)年から20年以上に亘り国鉄史上最多の26,605両が製造されたワム80000形。1987(昭和 63)年の国鉄民営化においても、JR九州を除く各社に改良型の280000番代を中心として 6,500両を超える数が継承された。
 その大半を占めるJR貨物では1991(平成3)年以降、280000番代に対して走行性能向上と保守の容易化を図り平軸受をコロ軸受化し、塗装もとび色2号から青色に改めた380000番代が登場。活躍末期にはこの380000番代による紙パレット輸送で気を吐いたが、輸送需要の減少や20ftコンテナ の置き換えにより2012(平成24)年のタイヤ改正で運用終了した。

■KATOから完全新規の「ワム8」登場

 KATOのNゲージ製品は1970年代に登場した大ベテランで、以後白塗装の鮮魚輸送用 580000番代の追加、下廻りのグレードアップ(ブレーキテコや誘導員ステップの表現追加)を経て前述の改良型280000番代、コロ軸受化された青色塗装の380000番代や屋根と片側の側面を改造したコンテナレッド塗装の480000番代とバリエーション展開も行なわれた。

 しかしながら発売当時の事情によるものか1:150スケールに比して車高が高い造型は変わらず、他社製品と連結した場合少なからぬ違和感が生じるのは気になる点ではあった。だが今回、実車の貨物運用終了から10年を期して遂に完全新規によるファインスケール化が果たされた。まずは青色の380000番代が単品(2両入)と14両セットの二本立てで登場し、追ってとび色2号の280000番代も同様の製品構成で発売が予定だ。

▲従来製品(左)と比較すると、車高が大きく異なるのがわかる。側面のプレートや票差しの違いにも注目。 今回製品では床下のブレーキシリンダー廻り配管(ドレンコック)が立体的に表現されている。

▲上から見た新旧製品比較。車体長や車体幅は両者ほぼ同じだが、雨樋廻りの造りに違いが見られる。

 上の比較写真の通り、従来製品とのサイズ差は一目瞭然だが、意外にもそれぞれ単体で見るとそれほどの違いは感じられない。古くか らKATO製品が印象把握やディテール表現に優れていたことを改めて実感させられた次第だ。

■EF66 100番代も再登場

 ワム380000紙輸送列車に好適な牽引機として、しばらく再生産のなかったEF66 100番代が同時発売となった。実車は民営化後にJR貨物によって製造された比較的新しいグル ープだが、既に登場から30年以上が経過。近年運用数を減らしており(丸ライトの前期型は既に全機が運用離脱)、そのようなタイミングからも今回の再登場は市場から歓迎されるだろう。


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