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表示機メーカーが本気で作ったミニチュアパタパタ!星光 ミニチュア反転フラップに迫る!

2022.06.04

text:鉄道ホビダス編集部
photo:株式会社星光

 2022年5月25日〜27日で行なわれた鉄道技術展。その名の通り、基本的には専門的な鉄道技術を中心とした展示がメインとなる企業向けの展示会です。が、そんな鉄道技術展で出展されたとある「ミニチュア」が注目を集め、Twitterを中心に一般のレイル・ファンたちの間でも話題となっていました。それが、今回紹介する「株式会社 星光」が作った1:8スケールのミニチュア反転フラップ式表示機(パタパタ)です。

■作った会社「星光」とは?

 株式会社 星光は主に駅の案内表示機や広告事業などを中心に展開する企業で、案内表示機に関しては企画から設計、製作、施工やメンテナンスに至るまでを総合的にサポートしており、まさに「その道のプロ」のメーカーと言えます。

■失われゆく「パタパタ」を残したい…!

▲会場では本物の反転フラップ表示機も登場!ブース内で存在感を放っている。

 記憶に新しい2022年の2月、関東地方で最後まで稼働していた京急川崎駅の反転フラップ式表示機が引退し、確実にその数を減らしつつある「パタパタ」。このように多くの駅でLED式やLCD式に置き換わりつつある中、まだ現在でも関西圏を中心に40駅近くで稼働しており、星光は今なおこのパタパタの保守を行なっています。
 そんな失われゆくパタパタをどうにかして残したいというメーカーの切なる想いから、ならばメーカーで模型を作ってしまおうということでできたのがこのミニチュア反転フラップ式表示機でした。

■メーカーだからこそできるリアルな見た目

 今回は大手関西私鉄である近鉄、南海、京阪、阪急と、4社のパタパタがモデル化され、それぞれの行先や列車種別を実物同様の表記で再現されています。というのも、実際に現在でもパタパタの保守・管理を行なっているメーカーが作る故に、表示機の機構から表示の印刷内容も実際に使用したデータや本物が存在しており、まさに中身から外観まで実物をそのままスケールダウンしたリアルなミニチュアが実現しています。

■極精密加工でこだわった「パタパタ」感

 反転フラップ表示機は、表示が変わる作動音から一般的にはパタパタと呼ばれることが多いですが、このパタパタ感を出すために表示が印刷されている板である「羽」と、その羽を留めておくリングの形状にこだわり、極精密加工による部品開発を行なったそう。これにより、動かした際にも実物同様なパタパタ感を再現することに成功しています。

●モーターをセットした動作の場面はこちらの動画をチェック!

 上記の動作場面は、タミヤ製の4速ウォームギヤボックスHEを使用したものです。現状では電動化の予定はないそうですが、このギアボックスとモーター自体は市販されているものなので、腕に覚えがある方は「電動化して遊ぶ」という楽しみ方もありそうです。

 このミニチュア反転フラップ表示機はこの鉄道技術展で試作機が初お披露目され、その評判で製品化を検討する予定でしたが、当日は大きな反響となり、また展示終了後も問い合わせが続いたため、秋あたりを目処に量産を考えているとのこと。価格等は現時点では未定ですが、製品化の際には部品模型としてどう楽しめるか、今から想像が膨らみますね。

メーカーWebサイトはこちらから!

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