text:安武有彬(RMM)
photo:浅水浩二・RMM
電源を供給するレールのメンテナンスは一番の基本と言っていいでしょう。レールの汚れは、車両を走らせるうえで発生する不具合のすべての源となります。逆に言えば、レールさえメンテナンスすれば不具合が解決することも多々あります。今回は「レールの掃除」にスポットを当ててそのクリーニング方法をご紹介いたします。
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■汚れの原因
車両は、レールから車輪を介して電気を取り込むため、レールと車輪は接点になります。 走行中、車輪やレールの小さな埃や塵が原 因で無通電状態が瞬間的に起きてスパーク (火花)が発生し、その埃や塵が焦げてカーボン状となって車輪やレールにこびり付きます。長く走らせるとこれが顕著になり、やが て走行がギクシャクしていきます。車両がス ムーズに走らなかったり、ライト類がチラつくほとんどの原因はこれです。レールをクリーニングして最良の状態にしましょう。また、走行時にレール上の埃を巻き上げて動 力車のギアに巻き込むこともあります。
■汚れの除去方法
【1】クリーナーで磨く
メーカーが発売しているレールクリーナーで磨きます。メーカーはどこのものでも構いません。磨くツールや手法はお好みで選択しましょう。
【2】細めのヤスリで磨く
汚れが酷い場合は細めのヤスリで磨きましょう。#1000番以上が目安です。削れた微細な粉が出ますので、最後にレールクリーナーで磨いて仕上げるのも効果的です。また、仕上げやツヤ出し用のヤスリも便利です。
ただしやってはいけないのが粗目のヤスリでこすることです。レール踏面に傷が付いてしまい、逆に汚れが付着しやすい「土壌」を作ってしまうことになります。こうなるとメンテナンスのつもりが逆効果となりますので、決して行なわないようにしましょう。
【3】「マルチレールクリーニングカー」を使用する
TOMIXからNゲージ用の「マルチレールクリーニングカー」が発売されています。このクリーニングカーは、走らせるだけでレールを磨いてくれる便利なアイテムで、特にトラス鉄橋やトンネル内など、手の届きにくい場所で威力を発揮します。
【4】なければ作る!「自作クリーニング棒」を使う
メーカーが発売しているクリーニングツールがなくても身近なもので簡単に代用ツールが作れます。レール用綿棒代わりのクリーニング棒はその定番です。
用意するのは、割りばし、布(ガーゼでも可)、輪ゴムの3つだけ。適度な大きさに裁断した布を割りばしの先に巻き、輪ゴムで縛ればもう完成です。レール用綿棒の要領でレールクリーナーを付けて、踏面を磨いていきます。汚れたら雑巾のように新しい面へと変えましょう。さらに洗えば繰り返して使用できとても経済的でもあります。
ここでは改めて一般的なクリーニング方法をご紹介しました。スパークによるカーボン汚れは、こすり磨くことでほとんどの場合は落とすことができます。メンテナンス頻度が高いうえ、メーカー各社から多種多様なツールが発売されていますので、自分の方法を確立させておくといいでしょう。なお、メンテナンス手法は基本的にどのゲージも同様です。
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