185系

特集・コラム

『RM MODELS』編集長が選ぶ!注目のマイクロエース西武「Laview」をレビュー!

2022.05.19

text & photo:根本貫史(RMM)

■「いままでに見たことのない新しい車両」

 …そんなコンセプト通りの車両が現実に登場するとは誰が想像できただろうか。建築家、姉島和世氏デザインによる最初のイメージイラストがリリースされた2015年、砲弾のような鋭い流線形とステルス性のある鏡面ボディに誰もが驚愕したことだろう。製造は西武の歴代特急車と同じく日立製作所が担当し、2018年末に第一編成が落成。もちろん鉄道車両としての体裁にアレンジされつつも、コンセプト通りの「いままで見たことのない新しい車両」が誕生した。愛称は新たに「Laview(ラビュー)」と命名され、形式は 001系。2019年3月改正より池袋線系統の特急「ちちぶ」「むさし」に順次投入。2020年までに編成記号A〜Gまでの7編成が出揃い、 池袋線系統での置換が完了した。

■製品について

 模型ファンの間では実車登場直後から製品化を待ち望んでいた方も少なくないだろう。しかしこの大胆なデザインゆえ、実車でさえ製造には相当な苦労があったであろう。そんな当形式を鉄道模型の、しかもNゲージ量産品として製品化するのは決してたやすくないことは想像できる。果敢にもその難題に挑んだのがマイクロエース。これまで培ってきた技術の粋を結集して、待望のNゲージ完成品が登場した。高度な技術力を要する車体や塗装を持つこの車両を的確に再現しているので、その注目ポイントを紹介しよう。

 まず車体の塗装は粒子の細かいシルバー塗料で、その鏡面的な光沢感を再現。同社はこれまでもアルミやステンレス車体の質感表現にこだわって来たので、ここは得意とする部分かもしれない。

 そして特徴的な球面形状の前面は、金型のパーティングラインを非常扉のパネルラインに沿わせることで目立たなく処理している。惜しむらくは運転席側にはパネルラインがないので、見る角度によっては露出する。しかし塗装粒子の 乱反射もあって、肉眼では目立たない程度なので及第点と言えよう。そして最も苦心したと見受けられるのは側面の大型窓採用による動力ユニットの処理方法だ。当製品ではダイキャストブロックを従来より薄型にした動力ユニットを 新規開発。動力車(5号車)の窓から動力ユニットの存在を目立たせない処理を施している。

■模型として欲しくなる製品

 当製品は実車の持つインパクトはもちろん、 数々の新機軸の採用によって、模型製品としても興味深いものに仕上がっているので、西武ファンならずとも欲しくなる魅力的な製品と言えよう。なお、当製品で設定されたオプションパーツとして、薄型室内灯(G0009・電球色/ G0010・白色:各2個入)が同時発売となっている。側面窓が大きいので、取付の効果は絶大なので、併せての使用をオススメする。


■より詳しい西武「Laview」の記事はRM MODELS 322号で!

 今回の特集では、鉄道模型でもっとも用いられている「プラスティック」「紙」「金属」の3種の素材にスポットを当て、各素材のエキスパートによる素材の解説と、工作テクニックを詳しく解説していきます。
 また、今回の「鉄道サブカルバラエティ」をテーマにした新企画「#鉄道絶対領域」は、鉄道玩具が主体の内容で代表的な「国民的鉄道玩具」の超絶作品やイベントの様子を紹介。さらに人気の「コンテナ弁当」や懐かしの「ブリキ電車」の思い出話など盛りだくさんでお届けします!

詳しくはこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加