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特集・コラム

今最も「旬」な貨物牽引機は九州で活躍中! EF81 303が光り輝くワケ

2022.05.02

 ゴールデンウィーク真っ最中、お天気にさえ恵まれればこの時期は暑くもなく寒くもなく、日照時間も夏至に向けて長くなる一方、まさに鉄道撮影にはおあつらえ向きですよね!

 レイル・マガジン最新の454号「貨物列車2022」(2022年5月7日発売)では、多くのレイル・ファンに愛される全国の貨物列車を特集しています。(新刊書誌情報は→こちら

 そして今回の本誌表紙と付録の表紙は同じ機関車をフィーチャーしてみました! ご存じ門司機関区所属のEF81 303、通称「銀釜」と呼ばれるスターです。

全検明けで美しくなった「銀釜」が、コンテナに朝陽を受けながら、やって来た。

‘22.4.4 鹿児島本線 陣原~折尾 P:岡部憲和
(今日の一枚より)

 なぜ銀色なのか…EF81 300番代は元々関門トンネル専用機として4両が製造されました。関門トンネル用機関車は、初代のEF10の一部、そして初の専用機かつ交直両用機となったEF30もそうでしたが、染み出てくる海水による錆びを考慮して車体をステンレス製としていたから…というのが理由です。ステンレスボディ特有のコルゲートが車体腰部に巻かれ、極めて特徴的な外観をしています。

81301.jpg

仲間の1両であった301号機は、常磐線で活躍していた時期にローズピンクに塗られ、そのまま生涯を送った。

‘07.5 鹿児島本線 東郷~赤間 P:後藤中也
(お立ち台通信より)

 前述の通り、製造時は301~304号機の4両が揃っていましたが、301・302号機は国鉄時代に常磐線へ転属していた一時期があり、この時期に一般型のEF81と同じローズピンクに車体塗装されました。JR移行直前に門司機関区に戻り、以後JR貨物所属機として4両揃って活躍。また、この頃には一般型EF81(もちろん鋼製ボディ)を重連総括制御可能なように改造した400番代も同じ関門トンネル用に投入されています(300番代も同様に重連総括可能に改造されました)。

日の出とともに、朝日を薄らと浴びた「銀釜」が上って来た。

‘22.2.9 鹿児島本線 海老津~遠賀川 P:岡部憲和
(今日の一枚より)

早朝に「交通安全ヘッドマーク」を装着した「銀釜」がやって来た。

‘21.12.10 鹿児島本線 折尾~陣原 P:岡部憲和
(今日の一枚より)

夕陽を浴びながら「銀釜」単機が、軽快に下って行った。

‘21.4.26 鹿児島本線 陣原~折尾 P:岡部憲和
(今日の一枚より)

 僚機の301・302・304号機は2014~15年度に廃車となってしまい、それ以後303号機が唯一の「銀釜」として他のEF81やED76と共に九州内で活躍中(関門トンネル区間運用はEH500に移行済)です。希少価値が非常に高い状態で、そうであるからこそ、後継機EF510-300番代の登場とも相まって去就が注目されていましたが、今年3月末に全般検査を受けて出場しました! ということは、向こう数年は活躍をつづける可能性が高いと言えるでしょう。

銀釜力走。

‘21.4.11 日豊本線 立石~中山香 P:堀江 亮
(今日の一枚より)

 しかも今回の検査出場にあたり、各部の錆び取り・研磨を行ったため、金属光沢が大いにアップ! 現場の職員の皆さんからも非常に愛されているであろうことが伝わってくる仕上がりとなっています。1両だけの存在、さらに運用範囲は非常に広い機関車なので、撮影は地元ファン以外ではなかなか難しいとは思いますが、貨物列車ファンなら一度は撮影してみたい機関車だと思います。

 さて、鉄道ホビダスでは現在、『Rail Magazine 454 貨物列車2022』発売を記念する連動企画として、皆さんからの「貨物列車」をモチーフとした写真作品を募集しています!

 

 思い入れたっぷりの作品をぜひお寄せください! 優秀作品には賞品もお送りしたいと考えています!

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