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特集・コラム

TOMIXの「築堤」で遊ぼう!自由な発想で楽しめるNゲージの築堤!

2022.04.29

modeling & text & photo:根本貫史(RMM)

 築堤とは、橋脚の上に軌道となる桁を架ける高架線とは異なり、盛土によって高架を構築するもので、鉄道以外にも道路や河川の堤防などにも用いられる工法です。従来の鉄道模型では、発泡スチロールなどの素材を切り出して表現するため、フロアーレイアウトには向かないものでしたが、この築堤は、TOMIXのレールシステム規格に準拠した構成で、既存の高架レールと同様に簡単に扱うことができます。また、拡張性にも優れており、築堤本体と専用の橋脚を複数組み合わせることにより、拡幅方向では単線から複線以上、さらに積層も自在で、立体的で迫力のある鉄道シーンが無尽蔵に再現できます。

■ありそうでなかった!? 低層高架線が可能な築堤!

 従来の高架橋脚では、水平橋脚の最大高はレール同士の立体交差を考慮した55mm(PC水平橋脚のP10)が基準でしたが、この築堤は、1段の高さが30mm(PC勾配橋脚のP4)が基準となっています。
 低層高架の利点としては、勾配区間が短く設定でき、省スペースでも立体的なレイアウトプランの構築が容易になるほか、盛土工法による築堤としては一番自然で安定感のある高さと言えるでしょう。レール同士の立体交差にする場合は、築堤を2段にすることで、従来の55mm(P10)になります。

■築堤用橋脚の併用で 幅も高さも変幻自在!

 拡張性に優れているのもこの製品の魅力。築堤延長部や橋脚を複数組み合わせることで、拡幅や積層がブロック感覚で変幻自在に楽しめます。レイアウトプランや再現したい鉄道シーンに合わせて組み合わせましょう。

■長い直線区間には 築堤間に架道橋を挟もう!

 高架橋のように軌道下に空間のない築堤では、分断する道路や河川を通すため、築堤間に架道橋を架けています。本製品でよりリアルな築堤シーンを演出したい場合は、連続する築堤の要所に架道橋を挟むことをオススメします。  道路や河幅の狭い河川であれば、桁下に空間が確保できるプレートガーダー橋や、下の作例のようにワイドPCレールのS70による高架橋が適しています。長い築堤で街を分断し、息苦しい風景にならないよう計画しましょう!

■築堤をよりリアルに! 法面をメイクアップ!!

 さらにリアルさを追求するなら、やはり塗装やディテールの追加が効果的です。実物を参考に、塗装でコンクリートらしい色を表現し、スミ入れやウェザリングで質感を強調するのも良いでしょう。また、法面に芝生マットを貼ったり、格子状の法面補強を表現するなど、ディテールに変化を付けるとより実感的になります。

■発想の転換で 築堤から「堀割」へ!?

 築堤以外にも、法面をうまく活用すれば堀割区間の表現も可能です。地形に変化が付けづらいフロアーレイアウトでも、これを配置するだけで簡単に堀割区間に変貌します!

■<作例1> 在来線風複線築堤区間

 JRや大手私鉄で見られるシンプルな複線築堤区間の作例です。フロアーレイアウトでもリアルな情景が楽しめます。

■<作例2> 東海道新幹線風築堤

 築堤区間の多い東海道新幹線を再現する場合は、法面の法尻部分に侵入防止用の高い側壁が設置されているのが特徴です。

 このように築堤一つ取ってもさまざまな楽しみ方、発展方法があります。また、フロアレイアウトとの融和性も非常に高く、置くだけでも線路がたちまちカッコよく見えるので、ぜひレイアウトに組み込んで立体的な運転を楽しんでみたいところですね。

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