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特集・コラム

列車の運転を楽しむか、映える情景を楽しむか…!この春始めるNゲージレイアウトプラン!

2022.04.22

text:上石知足(RMM)
photo:羽田 洋

 鉄道模型を始めるにあたり、単純なオーバル周回の入門セットから、待避線を追加し駅を設置して、その後立体交差化してよりダイナミックに…と、徐々に線路を足していくのは定番の発展ルートと言えます。前回の記事ではこの立体交差までのプランをご紹介しましたが、今回はそのさらに発展版として複線の立体交差プラン、そして単純なオーバルに車両基地セットを追加して車両を「映え」させることに重点を置いたプランをそれぞれご紹介します!

◆前回の記事はこちら
この春、憧れの「Nゲージ」を始めよう!TOMIXベーシックセットから始める鉄道模型

■複線化ですれ違い運転を楽しもう! レールパターンA+B+C+D

 前回に引き続き今回もレイアウトの基本的な発展プランを2つご紹介します。こちらは「複線化すれ違いセット」(レールパターンD)を組み込んだプランです。駅設備や立体交差に加え、外周にもう一本線路が増えて複線化した形態となります。このレイアウトだと駅周辺は 3線になり、手前2線が駅に停車できる線路、もう1本が駅ホームのない通過線のような形態にすることができます。
 見どころも多く、外側に1線追加されたことで、複線のすれ違い運転を楽しむことができます。これにより2列車同時で走らせられるようになり、さらに幅広い楽しみ方ができます。もちろん待避線を含めれば3列車を線路上に収めることができるので、外周線で列車を走らせつつ、内周では列車を待避させて通過待ち…といった、より複雑な運転を楽しめます。

 ただし、待避線自体の有効長はレールセットBの購入時点と変わりません。車両の長さに換算すれば、長くても大体4〜5両で限界になってしまいます。適度な編成長で楽しむのが手頃でちょうど良いでしょう。

■「車両基地レールセット」をオーバルレイアウトに組みこむ

▲サイズ的にはレールパターンA+Bの片側の直線からS140ストレートレール1本分を抜いた大きさとなる。もちろんレールパターンA+Bにこの車両基地レールセットを組み込むパターンも可能。

 近年では、鉄道模型を始めるにあたり「お気に入りの車両をカッコよく撮りたい」という動機で始める方も少なくないでしょう。そんな方のためにここでは「映えスポッ ト」を意識してレールパターンA(ベーシックセットのレール)に単品のS280ストレートレールを3本追加し、さらに「車両基地レールセット」を組み込んだプランをご紹介します。このレイアウトでは車両基地内で鉄道模型の車両を撮影することに一番の重きを置いているので、それ以外のものは極力なくしたシンプルなものにしています。

■ずらりと並んだ車両は圧巻!ただし有効長には注意!

 この車両基地セット自体には、洗車機や洗車台、昇降ステップや構内踏切、入換信号機など一通りのものがパーツとして付属しているので、別に何かを買い足すことなく雰囲気を楽しめます。合計で5線の車両基地に、車両をズラリと並べた姿はまさに壮観。このような景色が製品で再現できるようになったことが驚きです。車両 が揃ってきたらぜひ統一したテーマで車両を並べ置いて写真を撮り、楽しみたいところです。
 ただし、この車両基地レールセットだけではどうしても有効長が3〜4両でギリギリ、といったところなので、撮影だけでなくちゃんと車両を留置して楽しみたいとするならば、車両基地レールの延長部と、外周線路の直線を買い足した上で収まる長さにした方が良いでしょう。

■意外と鉄道模型工作の入門にもピッタリ!?

 購入時点では架線柱、洗車機、洗車台、昇降ステップや各種信号機、ダミーポイントモーターなどがランナー状態で入っているパーツ構成となっています。指示はないですが接着剤を使った方が良さそうなパーツも一部存在しているので、ピンセットやニッパーといった工具を用意してから組み立てにチャレンジするのが良いでしょう。ただ、作業量は多いですが基本的にランナーから切り離して組むだけで完成するので、鉄道模型工作の入門としてはピッタリかもしれません。

 さて、今回は2パターンの発展例をご紹介しました。自動での切り離しや、列車の入換作業など、より運転を充実させるプランはぜひ『RM MODELS 321号』掲載特集も併せてチェックしてみてくださいね!

■今月のRM MODELSの特集は「スタートライン 鉄道模型を始めよう!」

 春は「始まりの季節」! 今回の特集は「スタートライン 鉄道模型を始めよう!」と題し、鉄道模型を始めるうえで、何を揃えれば良いのかという基礎情報から、運転・工作・ジオラマ・写真撮影など、鉄道模型での様々な楽しみ方を紹介していきます。また、趣味のステップアップという切り口から、Nゲージから16番へと、よりスケールの大きい模型へのステップアップや、逆にスケールの小さいZゲージという新たなジャンルへの挑戦など、異なるスケールを楽しむ方法も詳しく紹介していきます。

 また紙面も今回リニューアル!お馴染みの「宮下洋一 昭和模型工作室」も「地鉄電車」を中心に刷新。また、「鉄道サブカルバラエティ」をテーマにした「# 鉄道絶対領域」など、新企画が続々スタートします!

 今月の特別付録は人気企画の「映える背景紙」シリーズ!今回は春にちなんで「桜バージョン」をお届けします!A面は走行&撮影用の静止画、B面はおなじみ「流し撮り」仕様となっております。桜並木をバックに快走する列車の走行シーンを撮影して是非お楽しみください。

詳しくはこちら

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