185系

特集・コラム

レールのない鉄道模型!?見慣れた街の一角を150分の1のミニチュアで作る!

2022.03.24

text & modeling & photo:根本貫史(RMM)

 「鉄道」を冠したWebサイトでこんなテーマはいかがなものかと思いますが、ジオラマは「鉄道」のあるシーンばかりではなく、普段見慣れた街の風景の一角を切り抜いて、「建物」や「道路(車)」を主役にする楽しみ方もあります。
 たくさん収集したミニカーの展示台として、またはレイアウト制作に向けた街作りの練習台として、鉄道のない「日常の風景」を再現するのはいかがでしょうか?

■ガードレール1本から始まるジオラマ製作

 ジオラマを製作するにあたって、まずどんなシーンを再現するかを考えてから、ジオラマの大きさを決め、必要な材料を用意するのが最も自然な手順です。一方、特定の風景でない場合、手元にあるストラクチャーやアクセサリー類から、風景を思い描く方法もあります。「このガードレールは近所のあの道路にもある」とか、「このビルの似合う街ってどんな風景だろう?」というように、製品や手元のストックパーツから情景作りの「キッカケ」を見つけてイメージを膨らませるという手もあります。

■RM MODELSオリジナル「横断歩道テンプレート」で横断歩道を手軽に表現!

▲意外と再現が大変な横断歩道や道路標示を簡単に表現できるテンプレート。現在ネコパブショップでも取り扱っている。

 街を作る上で頭を悩ませるのが横断歩道や道路標示の表現ですが、それを解決するものとして編集部オリジナルの「横断歩道テンプレート」を使って横断歩道を手軽に表現してみます。使い方は使用する標示以外の穴をマスキングテープで塞ぎ、道路表面にテンプレートを配置して、エアブラシで塗料を吹き付けます。
 ちなみにステンレスのエッチング製なので、1枚あれば長期間繰り返し使用できるようになっています。

■アクセサリー(小物)もしっかり作り込もう!

 手間がかかるので思わず手を抜いてしまいがちなアクセサリー類ですが、これらはジオラマの細密感を決める重要なスパイスとなります。「どうせそこまで見ないよね…」とは思わず、デカールや色差しでしっかり手を入れていきましょう。また、場合によってオリジナルのストラクチャーを作るとより効果的にディテールアップに繋がります。

▲市販のアクセサリーの他に、街道でお馴染みのナンバー自動読み取り装置「Nシステム」を自作。KATOの複線トラス架線柱がベースだ。

■「街道ジオラマ」完成!

 こちらが完成した「街道ジオラマ」です。特定のここ!というようなモチーフもなく、ましてや観光地や景勝地でもない、日常でよく見かける平凡な市街地の風景ですが、Nスケールのミニカー展示用としては格好の展示台になりました。
 「いつかジオラマで使うかも…」と思ってたくさん収集したミニカーも、やっぱりパッケージにしまったままではもったいないです。このように風景の中に配置することで、「ミニカー」もそれぞれが役割を持った「車両」となり、躍動感が生まれます。

 鉄道模型のレイアウトやジオラマでそこそこな街を組み込むとなると、それなりな大きさになったり、線路と建物の配置に苦労したりとなかなかチャレンジできないのも実情です。そこでまずは気軽に自分だけの「街作り」に挑戦してみるというのも、最初の一歩として有効でしょう。

↓詳しい製作手順はこちら!↓

  • このエントリーをはてなブックマークに追加