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特集・コラム

小さく作って、並び替えて楽しむ 「ユニット・ジオラマ」のススメ

2022.02.27

 一見、情景を作り込んだ大規模なレイアウトに見えるこの作品、実はトミーテックの「ジオコレ」を組み合わせて、街区ごとに独立したモジュールを組み合わせたもの。作者によって「ユニット・ジオラマ」と名付けられた作品で、自由に並べて楽しむジオラマ工作の魅力を味わっていただきたい。

「いつかは夢の固定レイアウトを!」に立ちはだかるハードル
 かねてから憧れていたレイアウト作りを始めようと思っても、家庭の事情により広げたままにしておくことが難しい方も多いのではないだろうか。また、コンパクトに作ったとしても、線路と情景が一体化してれば、いずれ見慣れてしまうことも。車両なしでも単体で飾れて、走らせるときは飽きのこない情景を演出できる、しかもコンパクト収納までをも追求した末に、作者がたどり着いたのが「ユニット・ジオラマ」だった。

小さいからこそ続けられる、長く楽しめる
 今回紹介するのは、言わば「街区のジオラマ」だが、ポイントは各モジュールとも方角を設定してあること。建物のサイズなどで左右方向には差が出たとしても、前後方向を歩道に囲まれた設定とすることで、サイズ感を統一している。こうすることで、並べ替えによる景色の変化も容易となる。

台座の厚みを揃えて自然な景色に
 各モジュールのベースにはスチレンボードを積層で使用し、高さは5mmに統一されている点もポイント。ジオコレは発売時期により台座の厚みが異なる。初期製品は2mm、近年のものは5mmといった具合に、そのまま並べると隣同士で高さが違うことも。そこで、2+3mmや2+2+1といった具合でボードを組み合わせて、台座の厚さが5mmの製品であれば3mmの部分を建物のサイズに合わせてカットすることで、表面に出ている厚さを2mmに統一している。なお、積層することでスチレンボードの「反り」も防ぐこともできるという。

塗装にはアクリル絵の具を使用
 広範囲かつ均一に塗装できる缶スプレーやエアブラシは便利だが、使用できる環境が整っていない場合もあるだろう。そこで作者が選んだのは水溶性のアクリル絵の具。調色により微妙な色合いが作りやすく、短時間で乾燥するほか、匂いがないのもうれしいポイント。

それぞれの環境に適応しながら鉄道模型を楽しむために生まれたアイデア、「いつかは!」と思っているみなさんの背中を教えてくれる一助になりはしないだろうか?

「ジオラマコレクション完全マニュアル5」より
ジオラマ製作:岡田忠明

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