185系

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謎のメーカー「モア」が出した唯一のNゲージ除雪車… なぜか自走する「キ620」にクローズアップ!

2022.02.22

text & photo:RMM

 2022年現在から40年以上も前となる1980(昭和55)年頃、突如として登場したのち、そのままメーカーごと消えていったNゲージがあります。それがこの「MORE(モア)」製のキ620形ロータリー式除雪車です。ちなみに「ホビーショップモア」とは全く違う会社です。今回この模型が編集部にやってきたのでそのディテールやギミックを中心に紹介していこうと思います。

■良好なディテールとギミックを持ったモデル

 全体的なディテールは古い製品ながらしっかりした作りとなっています。ロータリー除雪車の要でもある回転翼(ロータリー部)はさることながら、排雪板も手動にはなりますが動かすことができます。全体的にも当時のプラ完成品としては良好なディテールを持っており、シンプルながらも造形の甘さなどは見られず、初めての製品ながら完成度の高い模型となっています。

■そしてなぜか「自走」する

▲箱にも「自走」と書かれており走行することがアピールされている。

 そんなモアのキ620ですが、最大の特徴はやはりなんといっても「自走する」というところでしょう。実車は「貨車」に分類される車両ながらテンダーを携えており、確かに普通の貨車と比べるといかにも「走りそう」な見た目はしていますが、それはあくまで回転翼を回すためのもので動力源ではなく、除雪作業の際は機関車で後ろから押される形で走行していました。
 ですが単行で力強く走る様は、実際にはあり得ないながらも非常にユニークで模型的に楽しいものとなっています。また、トレーラー車として扱うことは最初から考慮されておらず、製品状態では自走前提となっている点も不思議なポイント。なぜ動くのか…大きな謎を残したままこのキ620を発売したきり、メーカーはなくなってしまいました。

■走行の様子を動画で!

 購入して十数年、全くと言っていいほど動かしていなかったというこのキ620でしたが、通電してみたところキビキビ動き始めました。モーターの振動で多少左右に振れたりなどしていますが、それもまた愛嬌といったところでしょうか。

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