特集・コラム

10月の鉄道のデキゴト「JR東日本最後の103系、仙石線から引退(2009年)」

2021.10.06

text:RM

■奇跡の復活から約2年間活躍

 「○月の鉄道のデキゴト」は、当月にあった過去の鉄道の「デキゴト」(路線の開通や車両の新製・廃車、そのほかの事件など)を振り返るコーナーです! ティーブレイクにでも気軽にお楽しみください。

 本日は、12年前となる2009年10月21日のデキゴトから。この日、仙石線に唯一残っていたJR東日本最後の103系・RT-235編成が最後の営業運転を行いました。

▲これは営業運転終了後、自力での廃車回送のシーン。写真手前側クハの後位寄り、トイレによって窓が埋められていることがわかる。撮影地のこの区間は1年半後の震災で大きな被害を受けた。
‘09.10.26 仙石線 陸前富山~陸前大塚 P:酒井健一郎(鉄道投稿情報局より)

 あれだけたくさんの両数がいた東日本の103系ですが、E231系の投入で205系が大量に地方線区に転出し、ここ仙石線も実は2004年に一旦103系は消滅。先頭車化改造車、しかも片側はトイレ付きという205系3100番代で統一されていました。

 しかしここで奇跡! 多賀城駅付近の連続立体交差化工事により所要数が増えたため、103系が1編成だけ、2007年3月に復活したのです。このRT-235編成はそれを見据えて郡山工場で存置されていたもので、ユニット窓+低運転台の新製冷房車グループ。そして一時的なピンチヒッターながら205系並みのサービスを提供するため、片側の先頭車(石巻寄りのクハ103-235)には車いす対応の大型トイレが設置され、またモハ103-343にはシングルアームパンタを2基搭載するなど、103系一族の歴史の中でも極めて特異な特徴を持つ編成となったのです。

▲上写真のつづきとなるシーンで、石巻線内をDE10形に牽かれているところ。
‘09.10.26 石巻線 曽波神~鹿又 P:酒井健一郎(鉄道投稿情報局より)

 元と同じ、青+白の塗り分けに欧文ロゴが散りばめられたカラーリングが施され、主に朝ラッシュ時に限定運用。しかし車両のやりくりで新たに南武線から205系が転入してくることになり、この2009年のタイミングで役目を終えて引退となりました。

 これにてJR東日本全体から103系が消滅。同社の主な通勤路線すべてに足跡を残した同系列の最後がこのような異色車であったことを、たまには思い出してやりたいものですね。

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