text & photo:高橋 隆
さて、地形や配置の計画ができたら次はいよいよ地形の製作に取り掛かります。まずスチのり等を使いスタイロフォームやスチレンペーパーを積層させて地形を作りますが、そのままの状態ではスキ間や段差が気になります。今回はそんな段差を消して「地形」を作っていこうと思います。
🔶前回の記事
ゴールデンウイーク鉄道模型ジオラマ入門!ジオラマの「配置」を考えよう!
■スタイロフォームを積み重ねて山を作る
スタイロフォームはジオラマの地形を作る際に非常に便利な素材です。土台としても活用できますが、その加工の容易さから主に山や丘の製作に好適です。基本的にはブロックのように積み上げて表現しますが、そのままでは段差や隙間がありただの「階段」のようになってしまいます。そこでこれらを埋めたり削ったりして消していきましょう。
今回使う材料はコチラ
- スタイロフォーム
- スチレンペーパー
- カッターナイフ
- スチのり
- マーカーペン
- モデリングペースト
- プラスタークロス
🔶ジオラマ製作アイテム解説はコチラから!
ゴールデンウイークに鉄道ジオラマ入門! 買うべきアイテムはこれ!-前編-
ゴールデンウイークに鉄道ジオラマ入門! 買うべきアイテムはこれ!-後編
- まず一つ目の地形パーツを仮置きします。便宜的にこのパーツを「1つ目」とします。
- 1つ目のパーツの上に2つ目を乗せます。
- 2つ目のパーツをガイドにして1つ目のパーツにマーカーで線を引きます。
- 線を引いた1つ目のパーツを取り出し、線に対して垂直に3㎝くらいの間隔で切り込みを入れます。
- 上面から底辺に向けて傾斜を付けながら段階的にカットしていきます。
- 1つ目のパーツに傾斜がつきました。
- さらに3つ目を積み、3つ目のパーツをガイドにして2つ目のパーツをガイドにして線を引き同様の方法でカットします。
- 3つ目のパーツの傾斜は現物合わせでカットし、山の整地は完了となります。この後で接着を行います。
■スキ間を埋める
- さて、スタイロフォームなどを積み重ねて地形を作っていたら、写真のようなスキ間が… これを埋められないものか?
- そんな時には画材店で入手できるモデリングペーストがおススメ。350円くらいからあります。
- モデリングペーストをヘラなどで容器から取り、該当の箇所に盛り付けスキ間を埋めていきます。
- 乾燥させるとカチカチに固まり、ヤスリやカッターナイフで削れるようになります。
■スチレンペーパーで起伏のある地形を作る
スタイロフォームと同じくらいに地形を作る際に重宝するのがこのスチレンペーパーです。それほど高くない丘ぐらいの地形を作る際に使える素材ですが、こちらの段差も目立つので消していきたいところ。以下ギャラリーにて順を追って解説していきましょう。
- スチレンペーパーを重ね合わせて丘の表現を作ってみます。
- スチのりで接着して地形のパーツができました。
- この状態では、スチレンペーパーの段差が気になるところです。どうにか消せないものでしょうか。
- ここで登場するのが、プラスタークロスという模型用の部材。1,500円程度。
- プラスタークロスは粗目の布に石膏を付着させたものです。適宜切り出して使用します。
- 任意の大きさに切ったプラスタークロスを水にサッと浸け、地形を貼り付けていきます。
- 地形パーツ全体にプラスタークロスを貼り、一晩ほど置いて乾燥させた状態。段差が消え、起伏にとんだ丘になりました。
- 実例その2。重ねたスチレンペーパーを並べて築堤の表現としたものです。
- 築堤パーツを土台に固定したのち、プラスタークロスを貼り付けて、なだらかにさせています。
さて、基礎~地形が完成しました。固定が完了し接着剤等が乾いたら次は地面の下地となる色を塗っていきます。次回はその下地や地面について解説していきます。お楽しみに。