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特集・コラム

休日鉄道模型ジオラマ入門!間違えない土台選び!

2021.04.28

text & photo:高橋 隆

 ジオラマ製作をする上でまず気を付けたいのが土台選び。「土台なんてどれだっていいじゃないか!」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。適切な土台を選ばないと、最終的な作品の出来栄えのみならず、しばらくしてすぐ壊れてしまうようなものになってしまいます。せっかく作ったジオラマをそうしないために、今回は「正しい」土台の選び方をご紹介しようと思います。

■土台にするものは厚手が良し!

▲こちらは絵画用のA3サイズ木製パネル。

 土台はその名の通り、レイアウトやジオラマの基礎となる材料です。鉄道模型用としては段ボールやベニヤ板のような薄手の素材はあまり使われず、補強された木製のパネルを用いる場合が多いようです。また、発泡スチロール製のボードも使えないことはありませんが、割れたり崩れたりしやすいため、より丁寧な取り扱いが要求されます。

■薄い板は土台に不向きなの?

▲薄手のベニヤ板などを使うと経年で「反り」が発生する可能性があるので避けた方が無難。

 薄い板や紙がレイアウトの土台として不向きであるのは、製作に用いる部材が関係してきます。草や土、砂利などの表現を土台に固定する際に特別な接着剤を使用しますが、この接着剤が水分を多く含んでおり、板がそれを吸ってしまうと乾燥後しばらく経ってから反りが生じてくる可能性があるのです。

 ここでは走行を前提としたセクションレイアウト向けの土台を例に説明します。この場合、木製パネルの中でも、裏面にケタ(補強)が渡してあるものが好適です。

■土台としても使えるスタイロフォーム

▲情景工作では主に地形を作る際に使用するスタイロフォームだが、土台としても使える。

 建築材料のひとつであるスタイロフォーム。レイアウトの部材としては、主に地形を作る際に多用されますが、希望するレールを敷設できるサイズのスタイロフォームの1枚板なら、木製パネル等なしでレイアウトのベースそのものとして活用することが出来ます。ただし木と同様、薄さには制限があり、おおよそで厚さ30mm以上のスタイロフォームが反りの心配が比較的少なく、十分な強度も得られるとされています。

▲スタイロフォームも例に漏れず反りに気を付けなければならない。厚さは30mm以上のが好ましい。

■プラスティック土台という選択も!

▲走行を前提とする情景作品である「レイアウト」ではなく、最初から走行は考慮しない「ジオラマ」としてならこのような100均のプラ製ディスプレイも土台として使うことができる。

 ここではせっかく製作したものがすぐに壊れてしまうのも忍びない、ということで、土台には「歪みにくいもの」を推奨しています。次にご紹介するのはこのプラ製模型展示台。100均でよく見かけるタイプの商品ですが、形状が特殊なためレイアウト用には工夫が必要と言えまず。ですが、走行を考慮しないジオラマ用としてなら強度的にも手堅いチョイスです。

■コルクボードは使える!?

▲破格の300円という値段が魅力のコルクボードだが… ジオラマ土台としては…?

 こちらは激安生活用品ショップで売られていたコルクボード。300円と安価であるのが魅力ですが、果たして鉄道模型レイアウトの土台として使えるでしょうか? 答えは半部YESで半分NO。試してみたところ、新品の状態から枠の四隅が超不安定な組み付けで、裏面から他の板などを貼って入念に補強する必要が生じました。補強材の費用が別途かかったため、普通の木製パネルを買った方が安上がり、というオチもしっかり…。

 今回は土台選びをご紹介しましたが、次はいよいよジオラマ製作へと移ります!木製パネルとスタイロフォームを使い、まずは土台から作っていこうと思います。お楽しみに!

🔶続いての記事
ゴールデンウイーク鉄道模型ジオラマ入門!ジオラマの基礎を作る!

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