特集・コラム

シーナリー散歩 Scene:3-3 銚子電鉄 海鹿島駅・西海鹿島駅

2021.04.04

取材日:’21.2.25
text & photo(特記以外):羽山 健(RM)
同行取材:遠藤イヅル

 レイル・マガジンで好評連載中の「シーナリー散歩」。全国の鉄道路線を訪ね、思わず模型にしてみたくなるような魅力的なシーナリーを見つけてご紹介しております。発売中の2021年5月号の連載第3回では銚子電気鉄道を取り上げました。このWEB編ではその補完記事を週刊でお届けします。今回は前回の君ヶ浜駅から上り方向へ進み、海鹿島・西海鹿島の2駅を見ていきましょう。

▲踏切の脇に建つ海鹿島駅の駅舎。階段でホーム高さまで上がった位置にある。

●海鹿島駅(関東最東端より銚子港直送 千葉石毛魚類 海鹿島)
 「海鹿」と書いて「あしか」と読ませます(当て字です)。かつてアシカやトドが多く生息していた海鹿島が洋上にあり、そこから取られた地名です。ネーミングライツは千葉市の鮮魚店・(有)石毛魚類が取得。この駅が関東で最東端にある鉄道駅ということをアピールした愛称名となっています。

▲踏切側から見た、駅舎のホーム側の様子。

▲かつて有人駅であった頃に出札口であった部分。ネーミングライツによる駅名板が掲げられている。

 駅舎はなかなか味わいがある建物で、2008年までは時間帯は限られるものの有人駅でした。簡素な切妻建築で、入り口が建物側面にある「平入」の様式。正面から見て左手にかつての駅事務室、右手が待合室、中央部が改札口となっています。

▲ホーム側から見た駅舎で、手前側が待合室。

 非常に窓が大きな開放的な建物で、外川や次回ご紹介する笠上黒生の駅舎よりも近代的。建造年代は不明ですが、昭和中期頃に建て替えられていると思われます。

▲キャベツ畑の中の第4種踏切。

 海鹿島~君ヶ浜間は開けたキャベツ畑の中を電車は進みます。第4種踏切(遮断機も警報機もない踏切)も点在しており、ローカル私鉄らしさ満点です。

▲西日を浴びて外川を目指す3000系電車。バックに犬吠埼灯台が顔を出している。

●西海鹿島駅(見えないことで、未来を拓く アシザワ・ファインテック株式会社 西海鹿島)

▲ここも踏切のすぐ脇にある西海鹿島駅。待合室はあるが、駅舎に相当する建物はない。

 1970年開設という、同線の中で今のところ最も新しい駅です。ホーム1本に待合室のみという最低限の道具立てとなっています。ネーミングライツは習志野市のアシザワ・ファインテック(株)が取得。「見えないことで」というキャッチフレーズは、同社が「粒子の微細化」という技術に特化したメーカーであることからの命名です。

▲飲料の自動販売機と簡素な待合室。ネーミングライツの駅名板も取り付けられている。

 前述した通り、ホーム1本だけの小駅ですが、踏切に面した入り口側は2009年の2000系導入時に延長されており、バリアフリーに対応した手すり付きスロープを持ち、また電車の扉開口部との段差が少ないように高さも高くなっています。

ホームの入り口側は、近年延長された部分で、電車の開口部と高さが合わせられている。

▲一方、古くからあるホームは全体に高さが低いだけでなく、線路に面した側だけが一段高く、乗客が待つ部分はさらに低い。かなり大きめの段差が生じている。

 一方、従来からのホームは全体に高さが低いだけでなく、線路に面した側だけが一段高く、ホームの大部分はさらに高さが低くなっています。建設資材を最小限にするためだったのでしょうか、現代ではあまり他で見ることのない様式であり、小規模ローカル私鉄を模型化する時に覚えておいても良い特徴ではないかと思いました。

🔶レイル・マガジン2021年5月号(448号)新刊情報

 

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