製作・写真:上石知足(RMM)
タミヤから発売されている「情景テクスチャーペイント」シリーズ。これは塗るだけで土や草の地面ができてしまうというスグレモノです。今回はジオラマ製作初心者の私がこれの「雪」と「粉雪」を使って塗るだけでできるNゲージ撮影用の雪景色を作っていこうと思います。
■製作にあたり用意したもの
▲番号順に 1:スチレンボードB4サイズ(5mm厚)2:スタイロフォーム(180×300×100mm) 3:情景テクスチャーペイント(雪 ホワイト) 4:情景テクスチャーペイント(粉雪 ホワイト) 5:スチロールのり 6:KATO ユニトラック 複線直線線路248mm(品番:20-004) 7:KATO 単線架線柱(品番:23‐059)
まず作るにあたり用意したものがこちら。これらで雪の地面を再現することができます。ちなみにすべて家電量販店で揃えることができました。
■まずは土台作り
まずは土台となるスタイロフォームをスチレンボードで挟み込むような形で軽く押さえつけて、スチレンボードにケガキ線を鉛筆で入れていきます。そしてこの線に沿ってスチレンボードをカットします。
次にその上に線路を仮置き。線路を置く位置を決めたら今度はスチレンボードにケガキ線を入れてカット。一通り切り終えたらスチロールのりでスチレンボードと土台のスタイロフォームを接着します。こうすることでレール道床の高さ分だけの地面の嵩上げとなり、テクスチャーペイントの節約につながります。
その後、線路の裏側にしっかりと両面テープを貼り付け、スタイロフォームに固定したらこれで土台はあらかた完成です。
▲今回は撮影用ということで、手前は雪の平原としたかったので気持ち多めにスペースを空けた。
■いよいよテクスチャーペイントを塗る!
さていよいよテクスチャーペイントを塗っていきますが、まずは通常の「雪」を試してみることに。
塗っていて分かったコツとしては「塗る」というイメージよりも「乗せる」に近いイメージで塗っていくとそれらしくなります。また、スチレンボードの地肌が見えてしまっては格好が悪いというもの。なるべく隠れるように気持ち多めに盛っていくと良いでしょう。また、今回はスチレンボードは素材の色のまま使用しましたが、地面を茶色く塗ってからこのテクスチャーペイントを塗ることで、「溶けかかった雪」も表現できるでしょう。
さらに雪が自然に積もった雰囲気を出すべく、「乗せた」後、乾く前にある一定の方向に向かって筆を流していくと自然に仕上がるように思いました。
全体的に粒が中くらいの大きさの「テクスチャーペイント 雪」ですが、スケール感としてはちょうどよく感じました。
■「粉雪」で地面を仕上げ!
ここからは雪の地面をさらにきめ細やかにするべく、テクスチャーペイントの「粉雪」を試してみることに。「雪」のような粒子感はあまりなく、どちらかというとシャーベットに近い感じ。これを線路の間や少し開いてしまった隙間、もう少し雪を盛りたい個所など、細かい所を中心に塗っていきます。
一通り塗り終えたところで綿棒などでなぞるように線路を拭き取っておきました。この時綿棒が線路から時折それてしまい、生乾きの雪の表面を乱してしまったりしましたが、「粉雪」を細筆などで上塗りすることでリカバーすることができました。
これで雪の地面は完成。ここからさらに単線用架線柱などを立てれば手軽に電化路線となります。
■「防風林」を立てよう!
さて、雪の表面は完成し撮影台としては十分雪景色になったと思いますが、ここで最後の仕上げとして針葉樹を立てていきます。これを立てることで見栄えが良くなる他、撮影時の背景ともなりますのでやっておきたいところ。
今回は初心者向けということで、製品を使用して手軽に林を表現。使ったのはポポンデッタの「ポポプロシリーズ」と岡本企画の「手作りもっくんシリーズ」の針葉樹。ただ、製品状態では雪景色らしくなかったので、テクスチャーペイント「粉雪」をすこし多めに平筆で取り、「ポンポン」と乗せていく要領で樹木に着雪表現を簡単にプラスしました。
さらに、同じような要領で架線柱にも雪が積もるであろう上部に、すこしだけ盛り付けるイメージで粉雪を塗りました。
■完成!
乾燥時間を含めるともう少しかかると思いますが、実作業時間は大体4時間ほどで完成しました。初心者でも簡単にできるので、憧れの雪景色をぜひ再現してみてはいかがでしょうか!?
以下、時系列順の製作風景ギャラリーになります。