主に山線向けと言われたEF64だが、1000番代は山岳路線に留まらず、今なお様々な地域で見かけることのできる数少ない国鉄電機となりつつある。模型の世界でも数多くの塗装や仕様がモデル化されているが、今回はそんなEF64 1000番代の模型にスポットを当てて様々な加工事例をイメージ写真と共に紹介していこうと思う。
■JR貨物仕様の国鉄色!メイクアップ大作戦!
近年のNゲージは完成度も高く、もはやユーザーが手を入れる部分も少なくなってきた感がある。だが、完成度が高いからこそ、各自が実車のシチュエーションを想像し、自分だけの1両に仕上げる楽しみが増えているとも取ることができる。
こちらのモデルはEF64 1019とEF64 1041のナンバー。どちらも貨物機で特に1041号機は1両で2種類(黒色と白色)のHゴムを使用していた特徴ある1両だった。どちらも紫外線焼けや鉄粉汚れといった実車と見紛うレベルのウェザリングに加えて、1019号機には電暖表示灯の撤去跡を塗装で再現した他、1041号機は特徴である前面窓ガラスのHゴムに黒色と白色が混在した姿を再現するため、それぞれの仕様の窓ガラスパーツを用意。貫通扉部分で切断し組み合わせて接着している。
■完成品でお手軽に 山陰迂回貨物列車を再現
2018年7月に西日本に甚大な被害をもたらした「西日本豪雨」。これにより山陽本線の貨物列車は寸断され、船舶やトラックによる振り替え輸送が行われたが、それでも輸送力が足りず、最後の切り札として、被害の少なかった山陰地区を経由した迂回貨物列車が運転された。こちらはNゲージと16番の製品を活用してそれぞれ再現。完成品を組み合わせて、EF64にはパソコンで自作したヘッドマークやステッカーを貼り付けている。シンプルなデザインだったので挑戦する難易度は低い。
■長岡の名物旅客機 1032・1052号機をディテールアップ!
16番プラ完成品として安定した人気と豊富なバリエーションが魅力のTOMIXのEF64 1000番代。こちらは長岡の守り神のように君臨する双頭連結器付きのEF64 1032号機と、近年、高崎に転じ、1001号機と交代する形で茶色のイベント機になり話題になった1052号機の国鉄色長岡時代としたモデルをディテールアップしたものだ。
どちらもジャンパーホースや手スリ、台車の速度検知器や機器室に至っては内部までデカールで表現し、まさに実物同様の細密感を出した2両だ。
■上信越の水先案内人 EF64 1000番代双頭連結器装備車を作る!
TOMIXの16番スケールのEF64 1000番代をベースに双頭連結器を装備したEF64 1031号機を製作した作例。実車が土崎工場で検査・整備を受けており、車体の青色が若干明るいため青20号を使用して車体を塗装。双頭連結器自体はTOMIXのEF63のものを使ったほか、連結器廻りはBONA FIDE PRODUCTの「EF64 1000番代双頭連結器装備車パーツセット」を使用し、細かくディテールアップしている。また1031号機の特徴である小ぶりなJRマークをも再現している。
さらに手スリ類の金属化、各種色差しのタッチアップにより実車のような重厚感ある仕上がりとなっている。
■憧れのフル点灯! LEDをDCCで自在にコントロール
デジタル制御で鉄道模型の走行からライト、音声なども自在にコントロールすることができるDCC。それを利用して16番のEF64のライト類をすべて実車同様に点灯、制御したのがこの作例。ヘッドライト・テールライトが光るのはもちろんのこと、電暖表示灯、さらにはジャンパー栓作業灯までもが点灯するという、文字通り「フル点灯」仕様だ。
テールライトも片側だけが光る入換表示灯状態も作り出すことができる。自在に車両を操ることができ、連結や入換などの動きも実物同様に制御可能なDCCを、より一層楽しむことができるギミックと言えるだろう。
この記事は「国鉄名機の記録 EF64」に掲載されている内容を一部抜粋しています。記事のような模型作例紹介の他、実車の歴史や詳細な情報、ディテールファイルから各模型の製品リスト、全53両の履歴まで幅広く掲載! ロクヨンファン必携の一冊です。