特集・コラム

鉄道模型新時代! 3DプリンターでALFA-Xを作る!

2020.12.04

製作・製作途中写真:永井幸輝
photo:羽田 洋

 2019(令和元)年から試験走行を始めたJR東日本の新幹線高速化試験車、ALFA-X。試験車らしく、前後で異なったフォルムを持つ同車だが、これをKATOのE5系をベースにしつつ、3Dプリントパーツを用いて再現をした作例を紹介しようと思う。

 

▲独特かつ複雑な形状をした先頭車。3Dプリントで見事に特徴を捉えている。

■3Dプリントで独特の形状を模型で再現する!

 今回3Dパーツは「Design Spark Mechanical 4.0(以下DSMと略記)」というフリーのCADソフトとDMM.makeの3Dプリントサービスを利用して製作した。ちなみにプロトタイプは登場時のE5系のパンタグラフを搭載していた姿を再現している。
 ALFA-Xの大きな特徴といえば全長約22mにもなる長大な鼻の部分。DSMでは通常、平面の図面を押し出すように造形していくため、一般的にこのような複雑な曲面の製作には向いていないといわれているが、バージョン4.0で追加された「ブレンド」という機能を使うことで、簡単に曲面を図面化することができる。これは複数の断面を自動で結合してくれるツールで、輪切りにした図を描くだけでノーズを断面ごとに分析し、自動で結合をしてくれる。これと同様の手法でコックピットやスカート部分を描き足していき、先頭車の概形が完成する。DSMの分割ツールを利用して、綺麗に印刷したい面をZ軸が上になるように並べ直す。これを整理し、STLファイルとしてDMMに入稿すればデータの完成だ。

▲10号車。ノーズが長いためほとんどのパーツを3Dで製作した1両。

■3Dパーツと切り継ぎでカタチに!

 3Dプリントした部品はアクリル素材のため瞬間接着剤を用いて組み立てる。継ぎ目には瞬間カラーパテを塗り、Mr.ポリッシャーにて研磨することでツライチに仕上げた。同時に積層痕も消すため、400番程度の粗目の耐水ペーパーをポリッシャーにつけて作業を行った。サーフェイサーの塗布→パテ盛り→研磨を数回繰り返すことで滑らかな車体が実現できる。

 1号車はプラグドアを採用しているため、ベースのE5系から先頭部を切り継ぎ製作。10号車は逆に客室部分が極端に短く、種車のE5系の10号車はグランクラスであり窓ピッチが異なるため、屋根部分以外はすべて3Dパーツを組み立てることで制作した。

 また個性豊かな中間車は3Dで作ったパーツやプラ板、プラ材などを用いてE5系をベースに加工していった。3・7号車か窓形状が小さいため既存の窓に嵌め込むタイプの3Dパーツを作り対応。5号車も同様に窓にプラ板を嵌め込み塞いだ。

 8号車はE5系では普通車だがALFA-Xはグランクラスのため、それに適合する3D窓パーツを作成して車体を切り抜いて嵌め込んだ。

 またALFA-Xの大きな特徴のひとつである4~6号車のパンタグラフの準備工事だが、こちらも3Dパーツを利用して再現した。

▲先頭部のX柄を始め美しい塗装が光る。

■帯やロゴまで!美しいマスキング塗装

 今回は扱いにくい銀塗装を最後に行いたいため、車体の緑帯→屋根→車体の銀の順番で塗装した。サーフェイサーは隠ぺい力の高いガイアノーツの「サーフェイサー エヴォホワイト」使って傷の最終確認を行った。まずは帯のエメラルドグリーンを塗装。次に屋根上の空力ブレーキを再現するための黄色を塗装。そのあと空力ブレーキ部分をマスキングした上で屋根全体にグレーを吹き付ける。車体の銀塗装は屋根上と帯をマスキングして行う。上の帯は0.5mm、下の帯は1.0mmのマスキングテープを貼り付け、ロゴマークや上下交差でXになっている部分はトレジャータウンの細切りテンプレートを使用して切り出してマスキングした。最後に銀塗装を侵さないクレオスのスーパークリアーでコートすることで仕上げを行った。

 以下ギャラリーにて加工中と完成後の画像をまとめたのでそちらも参考にしていただきたい。

この記事は「新幹線完全ガイド」の一部を抜粋しています。車内外の細かい形態差をまとめた実車記事や、知られざる試験車の数々の記録、こだわりのNゲージの加工作例まで盛りだくさんの内容の一冊です。

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