■EF66形電気機関車の概要
EF66形電気機関車とは1966(昭和41)年に試作機、その後1968(昭和43)年に量産された国鉄が誇るハイパワー機関車で、誕生から半世紀経った今なお根強い人気を誇る機関車である。登場から長年は高速貨物列車の牽引で活躍していたが、1985(昭和60)年からはブルートレインの牽引にも充てられた。JR化後にも改良型の100番代が増備されるも、国鉄時代に製造された0番代を中心に徐々に数を減らしていき、現在では0番代の現役は1両のみ。100番代でも廃車が始まっている。
新型機関車にも引けを取らない長大な貨物列車の牽引もさることながら、花形であったブルートレインの活躍が記憶に残っている方も多いだろう。そんなEF66の模型たちに今回はスポットを当ててみよう。
■リアルさにこだわるウェザリング仕様
このまるで来る途中に雨に降られたのかと想像してしまうようなリアルな汚れ。これらを再現するために実際に実物の車両を観察し、細部のディテールからウェザリングまで完璧に仕上げた1両。ワイパーで拭かれた部分のみきれいになっている前面窓廻りのこだわりのウェザリングがより一層リアルさを演出している。
▲ワイパーで拭かれたところが跡になっているこだわりのウェザリングに注目
■Nゲージでもディテールアップでさらなる高みへ!
手すりパーツの別体化、ワイパーなど細密な部品も可能な限り立体化した前面廻りに加え、屋根上の機器や配管なども細密化が図られている。花形だったブルートレインの引退と反比例して模型熱が強まり、「よりリアルなEF66を作りたい」との想いで制作されたという、まさに珠玉の一両である。
▲手すりやワイパーはもちろん、連結器廻りや車内のディテールまで可能な限り立体化し再現された姿は重厚感あふれる仕上がりになっている。
■これが紙!? 特徴的なスタイルを的確にとらえたペーパーEF66
複雑なフォルムをペーパーでまとめ上げられた1:80スケールのEF66。このモデルが制作されたのはなんと40年近く前。だがこのモデルはその時間の経過を感じさせない出来栄えである。「寝台特急をEF66が牽いたらカッコいいんじゃないか」という動機で制作されたというこのモデル。その後本当にEF66がブルートレインを牽引するようになり、先見の明があった作品といえるだろう。
■自分だけの世界を再現! フリースタイルという楽しみ方
模型ならではの楽しみ方のひとつとして実在しない車両を作り上げる「フリーランス」というものがある。「もしEF66のボディスタイルが標準型になっていたら…」という想定で作られた作品群。どれもカラフルな仕上がりながら、1両1両きちんと細かい設定がなされており、見ていて飽きない仕上がりとなっている。
▲色とりどりの車体色を纏ったフリーEF66。鮮やかな車体が見るものを楽しませる。
■追憶のブルートレイン 最終日「あさかぜ」を完全再現した製品 24系25形「さよならあさかぜ」セット〔TOMIX〕
2006年に大手鉄道模型メーカーTOMIXより発売されたブルートレイン24系25形「さよならあさかぜ」セット。実際の最終日と同じ車両で構成されるこのセット。ラストランまでの半年間もの間、EF66は当然ながら客車も入念に下調べをし、まさに「やれることはすべてやった」というこのモデル。最終日直前となると当時客車が所属していた下関に5日間泊まり込みで取材をしたという。
▲終着駅で客車から“ロクロク”が離れていく瞬間、この「あさかぜ」にも終止符が打たれた。
■ビギナーでも楽しめる!NゲージのEF66
NゲージではKATOそしてTOMIXの二大メーカーから各種EF66がリリースされている。手ごろに楽しめるNゲージではあるが、前部の銀色によるライトリムの色入れやスミ入れなどの軽加工から、手すりパーツの金属置換などで印象は簡単にグッと上がる。
■憧れのブルートレイン牽引仕様をお手軽にディテールアップ!
この車両はTOMIXから発売されたEF66(後期型・ひさし付・特急牽引機)をベースにボディ本体には手を付けずに簡易的にディテールアップをした作例。ウェザリングを中心に行っているが、東海道を疾走する長距離ランナーの貫禄は十分に味わえる出来になる。
▲パンタグラフは製品のものからオリジナル仕様の大型のPS17Bに交換。またウェザリングを施している。
この記事は「国鉄名機の記録 EF66」に掲載されている内容を一部抜粋しています。