現存する国鉄型電気機関車で最古参となるのはJR東日本高崎車両センター所属のEF65 501、通称”Pトップ”だ。1965年6月20日の新製で、車齢は54年となる。なお、PトップのPはPassenger=客車を意味している。この客車というのは20系ブルートレインを指しており、高速列車牽引のためブレーキを中心に追加装備がなされたため500番代と区分された。
▲EF65 501号機 20系客車に合わせた青15号にクリーム1号の2本帯の特急用塗装が凛々しい。しかし、しかし最近は運用の機会も減り、引退の噂が絶えない。2020,2,27 JR東日本高崎車両センター P:RM
本機は東京機関区に新製配置され、「富士」「さくら」「はやぶさ」といった東海道筋のブルートレインの牽引に活躍した。その後、1978年に下関機関区で後継のEF65 1000番代に置き換えられた後、一時は貨物の牽引に転じたが、特急色を維持し続けたことでも知られている。
▲20系牽引用の装備 20系牽引用に装備された電話連絡用ジャンパ栓(写真右)と電磁指令用ジャンパ栓(写真左)2020,2,27 JR東日本高崎車両センター P:RM
その後、国鉄時代末期に高崎第2機関区に転属し、国鉄分割民営化ではEF65形500番代で唯一JR東日本に承継された。JR東日本ではEF60 19とともに、臨時列車や工臨の牽引を中心に活躍し、時にはジョイフルトレインの先頭にも立った。ただ現在は、〈ELぐんま よこかわ〉や工臨などを牽引した実績があるとはいえ、予断を許さないことに変わりはないと考えるべきだろう。本機の今後に注目していきたい。
本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン436号より