10月28日に公開された都営地下鉄の馬込車両基地。2004(平成16)年に旧工場から移転した車両検修場の中に入ると、金網で囲まれた巨大な施設が目に入る。よく見ると台車の格納庫で、さながら台車のアパートのようだ。最近のマンションなどの立体駐車場と同じように、リフトが上下左右に動いて指定の場所まで台車を運ぶ仕組みで、決して広くない工場内の場所を有効利用している。一昔前まで、工場内で台車といえば、建屋の裏手にシートをかけて置いてあるのが定番だったが、ここではすでにそういった光景とは無縁のようだ。
その前にはなにやらフォークリフトが。よく見ると小さな車輪が付いた軌陸車で、5300形のT台車(KD302A)を押している。以前は鉄道の世界でも入換用機関車でおなじみだったニチユ(日本輸送機)製で、バッテリー式フォークリフト“トランサー”がベースだがら、これも一種のバテロコ?
非電化の検修線での車輌の入れ換えにはこんな素敵な凸型機関車が用意されている。黄色ベースに5300形と同じ帯の塗装はかつての都電を思わせる。同型の1号機はE5000形と並んで留置されていたが、H級のE5000形よりも大きく見えた
メーカーであるトモエ電機工業のホームページによると25トンのバテロコで、幅2600mm、高さ3415mmというから、長さ以外は大江戸線サイズのE5000形よりも大柄なのだ。ちなみに新宿線と大江戸線の車庫にも入換用として同社製のバテロコがいるとのこと。東京にもまだまだ知られざる車輌は多い。 2006.10.30作成