← →DT19(動台車)TR49(付随台車) 国鉄10系気動車が履いた台車である。軸箱の上に馬具の鞍のような軸ばね受けを載せた構造で、枕ばねには防振ゴムを用いている。この構造は1952(昭和27)年に登場した電気式気動車キハ44000のDT18(軸距2300㎜)で採用されたもので、液体式となったキハ44500でDT19/TR49となり、以後、1953(昭和28)年から本格的な量産車となったキハ45000系(後のキハ10系)に採用された。初期のキハ55系、キハ20系でも引き続き採用されたが、間もなくDT22/TR51に移行している。 写真は国鉄旧気動車標準色に復元された茨城交通譲渡車キハ111(元国鉄キハ11 19←キハ48029)のもの。軸距:2000㎜ 車輪径:860㎜軸箱支持:軸箱守(鞍型ウイングばね) 枕ばね:防振ゴム写真:1995.11.19 那珂湊 RM現役最後のキハ10系であった茨城交通譲渡車。3輌のうちこのキハ111はその後廃車解体、113はJR東海へ譲渡された。残る112は2004年5月まで活躍を続けた後、大宮に建設される鉄道博物館での保存が決定、現在、JR東日本郡山総合車両センターで補修を受けている。 2006.7.16作成/2006.7.23更新参考文献「キハ10系車両のあゆみ」岡田誠一(『鉄道ピクトリアル』№637所収/1997年 電気車研究会)『キハ08とその一族』岡田誠一(2006年 ネコ・パブリッシング)これまでに収録した国鉄形式の気動車用台車へのリンク