text & photo:なゆほ
60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は昨年久々に再販されたプラレールの103系にクローズアップ!この8月にスカイブルーの京浜東北線が発売されたことで、基本となる5色が出揃いました。ここでは今回製品の103系のディテールを改めて詳しく見ていこうと思います。
【写真】5色出揃ったカラフルな103系 リアルなディテールを写真でもっと見る
2025年9月に突如として再販が行われた「103系埼京線」から約11ヶ月。2026年8月1日に発売された「103系京浜東北線」をもって、過去に発売されたプラレールの103系高運転台の5色が出揃いました。今回は以前の連載で紹介した「103系大阪環状線」を含めた5色をまとめて紹介します。

▲ついに揃った5色の103系高運転台車
103系高運転台車のプラレールは2005年8月に発売された「山手線環状運転80周年記念セット」で初めて登場しました。発売時で既に引退から17年、まだ首都圏でも少ないながらも活躍していた103系でしたが、山手線のような都心の主要路線の過去の車両を製品化したことで大きな話題となりました。
山手線を皮切りに首都圏の残りのカラーも続々と発売され、2006年3月の「京浜東北線スペシャルセット」にてスカイブルー、2006年11月の「総武線スペシャルセット」にてカナリア、2007年1月の「常磐線スペシャルセット」にてエメラルドグリーン、そして2007年3月の「中央線スペシャルセット」にてオレンジバーミリオンが製品化され、首都圏各路線の5色が出揃いました。同梱されている同路線の車種の大多数は既存の製品のバリエーション違いとなっていたため、純粋な完全新製品は103系のみとなりました。
その後ファンからは単品発売も望まれていましたが、やはりいずれの路線からも既に引退している車両であることが影響したのか、しばらく103系高運転台車の製品は各セットのみの仕様に留まりました。
少し時が下り、2013年にプラレールショップ限定で高運転台の「大阪環状線」が発売されますが、こちらは当時現役の車両。そしてプラレールショップ大阪店のオープン記念という立ち位置であったことから継続して販売され、実車引退後の2018年に絶版となっています。
そして現在、実車の高運転台車が姿を消し、JR西日本とJR九州に一部残った車両が風前の灯となっても、103系の人気は衰えることがなく、2000年代に発売された先述のセットに馴染みのない若い世代を中心に再販が望まれ続けていました。とは言っても、やはり子供のおもちゃであるプラレール。メインターゲットである幼児から小学生低学年の子供たちにとって、旧型車両は全く馴染みがありません。ファンの間ではあくまでも「もし、中古品が高騰している103系が手に入りやすくなれば…」程度の雰囲気を共有しているといった、その矢先のことでした。

▲箱は近年登場したニューデザイン。
ここ数年のプラレールは「リアルクラス」のシリーズ展開からも分かるように、大人をターゲットととした商品開発に力を入れています。60年以上の歴史を持ち、親子三世代で遊んだ経験があるという話も珍しくなくなってきた昨今、「リアルクラス」以外にもマニアックな車両を製品化するようになってきています。「381系やくも」や、デビューから30年以上が経過して製品化された「スーパーはくと」「281系はるか」、そして「東武8000型」などはその最たる例です。
こうした流れの中で、2025年9月に「103系埼京線」が発売されました。特に明言はされていないものの、2025年は埼京線の開業40周年だったことから製品化されたものと思われます。スペシャルセットの山手線とはまた異なる色合いのウグイスで成型され、意図したものかは不明ですが、ウグイスの103系で多く見られた「車両ごとの色の個体差を再現しているように見える」として大人気の製品となりました。
続いて、12月に「大阪環状線」が登場。こちらは2018年まで発売されていたものとは異なり、モデルの編成を実車の最終運行時のものに変えるというマニアックさが高評価を得ています。2026年3月には「常磐線」が登場し、以前のセットではさよなら運転仕様だったものがノーマル仕様になるという、19年越しのバリエーション展開となりました。
6月には「総武線」が発売されましたが、こちらもセット品から仕様を変更し、行き先が「中野」から「三鷹」に、旧製品では白色で印刷されていたJRマークを実車に準じて銀色にするというブラッシュアップも行われています。
最後に登場したのが、8月に発売された「京浜東北線」です。こちらも総武線と同様に旧製品では「大宮」行きだったものが「大船」行きに変わっています。埼京線が既に「大宮」行きだったことに加え、2026年2月発売のリアルクラス「205系京浜東北線」も「大宮」行きに設定されているためか、合わせて遊ぶことを想定した行き先の選択とも考えられます。
生産コストの増加の影響か、残念ながら各色とも妻面窓の塗装表現は省略されてしまいましたが、屋根のクーラー・ベンチレーターの塗り分けは旧製品以来の姿を維持しており、20年前のものと並べても違和感がない見た目に仕上がっているところが嬉しいポイントです。
今後は、過去に大阪環状線と関西線の2つしか製品化されていない低運転台のバリエーションのほか、リアルクラスの京浜東北線205系のように、これらの103系と合わせて遊べるリアルクラス製品の展開にも期待したいところです。103系製品のリリースとしては一区切りかと思いますが、まだまだ今後の展開から目が離せそうにありません。


