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気がついたら店頭から消えてることも 限定品でなければ通常品でもない「無品番」のプラレールとは?

2026.07.04NEW

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は製品の「品番」に注目します。プラレールのうち店頭に並ぶいわゆる通常品には「品番」と言われる番号がついています。ですが、一部のスポット生産品などにはこのような品番はなく、販売期間も僅かなため店頭で見かける機会が少ないものも多いです。今回はそんな無品番のプラレールたちをご紹介します。(編集部)


【写真】色違いやマニアックな車両たちが揃う「無品番」近年の展開を写真でもっと見る

 現在のプラレールの車両単品には「S」「KF」から始まる商品番号が付いています。「S」は新幹線や特急型、通勤型、貨物列車などの3両編成。「KF」は機関車や貨車の1両単品用の記号です。これらの品番が付いた製品は「通常品」と呼ばれ、一定期間生産されると品番を引き継いだ次の車両に置き換わることもありますが、基本全国のおもちゃ売り場に通常のラインナップとして陳列されており、どこでも入手が可能です。対して、メーカーがイベント向けとして発売したものや、鉄道会社などが企画した製品は販売場所が限定されるため、「限定品」と言われます。
 しかし、これらの条件とは異なる製品が少なからず存在しています。今回はその製品群、いわゆる「無品番」の製品から近年のものをいくつかピックアップして紹介します。

▲「無品番」の車両たち。シリーズものでも無ければ限定品扱いでもない

 「無品番」はその名の通り、特定の商品番号を持たない製品です。冒頭で述べた「限定品」も番号を持ちませんが、これらは「無品番」扱いされることはありません。ではなぜこのように区別されて呼ばれているのかというと、販路が限られる「限定品」とは異なり、「通常品」と同じく全国流通品であるためです。「S」「KF」やその他の製品と並び、おもちゃ売り場で購入が可能です。
 ただし継続的に生産されることは少なく、基本的には一回生産のスポット製品となります。「発売されてから売り場で見かけたけど、後日覗いたらもう無くなっていた」という話もよく聞かれます。
 「無品番」として発売される製品は「通常品」「限定品」と何が違うのか、明確には定まっておらず公表もされていませんが、今までのラインナップを見るとある程度の推測は可能です。プラレールの通常ラインナップに品番が制定されて以降、初めてこのような販路の「無品番」として発売されたのは、2005年に登場した「スーパーレールカーゴコンテナ車セット」でした。これは2004年に発売された「スーパーレールカーゴ コンテナ積み降ろしセット」の増結車という扱いで、セットではMc250形・M251形のみで構成された4両編成の中間にT260形を組み込み、6両編成にして遊ぶことを目的としたものでした。モータートミカの配送トラックを含めた異色の製品で、セット品の発展用だったために長期生産が見込まれず、商品番号を与える必要がなかったものと思われます。
 しかしスポット生産の製品を出す手法としては効果的だったと思われ、同年には映像作品から「『交渉人 真下正義』クモE4-600」「銀河鉄道999」が発売されたほか、地域色が強い路面電車から「広島電鉄5100形 Greenmovermax」「長崎電気鉄道3000形」が相次いで発売されました。
 2007年には「阪急電車9000系」と、同年に開館した鉄道博物館の収蔵車両から「C57 135号機 鉄道博物館仕様」が登場。2007年から2010年にかけては、東京・名古屋・大阪の各地下鉄から主要路線の車両が製品化。この時に発売された「東京メトロ副都心線10000系」は後に品番付きの「通常品」に昇格、「大阪市営地下鉄御堂筋線21系」も後継車である30000系が品番付きで発売されるなど、後のラインナップ展開に繋がる様子も見られました。

▲「E531系赤電」は中間車を平屋とすることで既存品と差別化、「381系やくも」は485系の型を改修した意欲作だ

 地域色の強い車両や、通常品にするには少しマニアックな車種はこうして「無品番」で発売されるようになりましたが、2011年に「臨時列車シリーズ」、2012年に「たのしい列車シリーズ」といった明確なスポット生産のシリーズものが登場すると、その頻度は低下します。とは言え、2015年には「西鉄3000形」が発売されるなど、シリーズには含まれないような車両を製品化する流れは健在でした。
 その風向きが変わったのは2019年。九州新幹線800系に施されたラッピング「JR九州 WakuWakuTrip新幹線」を製品化したことに始まります。2017年に発売されたものの再販となる「或る列車」や、「たのしい列車シリーズ」が2020年を最後に終了したことから、本来はシリーズに含まれたであろう「JR787系 36ぷらす3」などを挟みつつ、「無品番」はラッピング車両や塗装を変更した車両、実車の引退を記念した車両がラインナップに載るようになりました。
 九州新幹線800系では、先述のものと「流れ星新幹線」「JR九州 WAKU WAKU SMILE新幹線」を合わせた3種類が製品化。同じくJR九州の885系には「スプラトレイン」「ピクミントレイン」、そして今年8月に発売が予定されている「スーパーマリオトレイン」の3種類のラッピング車が登場しています。記念塗装系では、JR東日本の「E531系 赤電ラッピング記念車両」や、名鉄2000系の塗装を反転した「名鉄創業130周年記念 反転塗装ミュースカイ」があります。引退記念系では「小田急ロマンスカー・VSE(50000形)」「381系特急やくも」「SL人吉」「快速アクティー211系」「E3系新幹線つばさ2000番代」が発売されており、中でも「381系特急やくも」は大人気となりました。
 2025年5月からは、プラレール屈指の人気車両「103系」の高運転台車が久しぶりに登場。2026年7月までにウグイス・オレンジバーミリオン・エメラルドグリーン・カナリアの4色が出揃い、8月のスカイブルー発売をもって、以前発売されていた全てのカラーが再販を果たします。

 「通常品」と同様の流通形態ながら、店頭に並ぶ期間があまり長くない「無品番」の車両たち。そのボジションを活かし、「リアルクラス」シリーズとはまた違った大人向けの商品も発売されるようになってきました。381系や103系の発売により更なる盛り上がりを見せている昨今、その展開から目が離せません。

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