取材日:‘20.1.8
text & Photo:福島鷺栖
■東海地区の一大貨物拠点「稲沢」にいってみた
【写真】国鉄型機関車がまだたくさんいた頃 たった6年で大きく変わった稲沢の写真をもっと見る
東海道本線の「稲沢」という駅名に聞き覚えのあるレイルファンは、その多くが貨物ファンだと思います。というのも、今なお車扱い貨物が残る東海地区の一大貨物拠点にして、全国でも有数の規模を誇る操車場となっているためです。なお、貨物列車の運用上の拠点というだけで貨物駅ではないため、コンテナホームなどの荷役設備は有していないのが特徴的です。そのため、稲沢駅のホームに降り立つとズラリと並ぶ機関車群を見ることが出来ます。今回は掲載時から約6年前と少し懐かしい稲沢の様子と併せて、当時見ることが出来た「秘蔵っ子」の最期の姿もご紹介します。

稲沢駅ホームから機関車群を望む。
■ちょっと懐かしい愛知機関区を探訪
駅を出てしばらく名古屋方へ歩いて行くと、県道62号線のオーバーパスに到着します。ここを上がると愛知機関区を望むことが出来ます。当時は今年で運用がなくなった愛知機関区所属のEF64 1000番代の運用もまだ多く残っており、復活国鉄色の他、「牛乳パック」の愛称でファンからも親しまれていた更新色も見ることができました。さらに当時まだ関西本線で運用されていたDD51も、数こそ減っていましたが現役でした、
こちらは、機関区の上をオーバーパスが通っており、機関車の屋上ディティールを見学することも出来るので、モデラ―の方にもおすすめのスポットです。

小休止中のEF210をオーバーパスから望む。屋根上もしっかりと観察することが出来た。
■「御召機」の最期
この日、私が稲沢に赴いたのは理由がありました。愛知機関区の隅には、かつては住友セメントへの専用線が接続していましたが、今は主に解体作業などで使用されています。そこへ、愛知機関区で保管されていた御召指定機EF64 77号機が、パンタなどの部品を外された状態でこの解体作業線に入ったとの情報をキャッチしたためでした。

DD51 2機の前に立つEF64 77。色あせているが御召牽引機としての装飾は健在だ。
EF64 77号機は1986年の「かいじ国体」に合わせた御召列車の牽引機として、八王子機関区所属時代に活躍しました。各所に施された銀の色差しが入れられたほか、当機の特徴として側面に入れられた帯など、特別な装いでレイルファンからの注目を集めましたが、JR化後には貨物更新色に塗り替えられました。
しかし、その後イベントの際に御召装飾が復元された状態で展示され、多くのレイルファンを楽しませましたが、その後長らく屋外で留置され塗色も褪色し、その状態も相まって動向が注目されていましたが、2020年、ついに解体する段になりました。

塗装が比較的綺麗だった頃のEF64 77号機
‘19.6.9 東海道本線 稲沢 P:松本浩昌
(今日の一枚より)
訪問当時、かなり色褪せていましたが台車周りに施された装飾、そして何より特徴的な側面の白帯が健在でしたが、この数日後には解体されました。
EF64 77号機も長期間の屋外保存の末に解体となりました。昨今では正式に保存されている車両ですら、老朽化やPCB処理などを理由に解体される事例も多くなってきました。今、改めて各地の保存車をもう一度訪れてみてはいかがでしょうか。

EF64 77号機解体直前の最期の姿。(敷地外より撮影)


