昭和40年代、函館本線の山線を駆け抜けたC62重連による急行「ニセコ」。その迫力ある姿と、沿線に広がる鉄道風景を収めた写真集『函館山線 C62重連 急行ニセコ』が、プロビア倶楽部 出版部より刊行されている。
本書は、小樽~長万部間、通称「函館山線」を舞台に、103レ・104レとして運転された急行「ニセコ」の記録を中心に構成。4つの峠を越える急勾配区間において、C62が重連で挑んだ名シーンの数々を収めている。フルノッチで登坂する際の激しく山間に轟くブラスト音、噴き上がる黒煙――そのすべてが、当時の空気感とともに蘇る内容だ。
撮影・執筆は、大谷眞一、田島常雄、田村弘の3氏。彼らはこの地に魅せられ、学業や仕事の合間を縫って函館山線へ通い続けた。掲載写真は単なる列車記録にとどまらず、駅の情景や鉄道員の姿、さらには厳冬期の輸送を支えた除雪列車にもカメラを向けている。鉄道という営みそのものを多角的に捉えた構成が特長。
同時代を知る読者にとっては郷愁を呼び起こし、若い世代にとっては“蒸気機関車時代のリアル”を体感できる一冊と言えるだろう。
巻頭には著者・大谷眞一氏による序文も収録。「新幹線札幌延伸に伴い、その役割を終えようとしている函館本線山線は、かつて蒸気機関車撮影ブームの中心地であった」と語り、煙と鼓動に魅せられた日々への想いを綴っている。そして、本書は苗穂工場で静かに眠るC62 3号機へ捧げられている。
■書名
写真集「函館山線 C62重連 急行ニセコ」
■著者
大谷眞一/田島常雄/田村 弘
■発行
プロビア倶楽部 出版部
■仕様
B5判/ソフトカバー/80ページ
■価格
2,800円(税込)
■取扱い
・Models IMON 各店舗および通販
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・その他書店・Web販売


