取材日:‘22.7.2(特記以外)
text & photo:福島鷺栖
■「ED75」がけん引する「客車列車」
一昔前までありふれた存在であった客車普通列車。かつては本線と呼ばれる幹線を中心に走っており、特に東北地区ではJR化後も12系や50系といった客車を使用した普通列車が数多く走っていました。しかし、その取り回しの悪さから、より効率の良い電車に置き換えられていくことになり、現在ではその姿を見ることはなくなりました。
そんな東北地区を走っていた客車列車を彷彿とさせる列車が、今から約4年前の2022年に運転されました。今回は、奥羽本線に2日間のみ復活した急行「津軽」の下り乗車時の様子をご紹介したいと思います。
【写真】ED75晩年の晴れ舞台!リバイバル急行「津軽」乗車の様子を写真でもっと見る

往路の急行「津軽」。
奥羽本線 新青森
■青森から12系に揺られて
「津軽海峡冬景色」でおなじみの青森駅。その歌詞の通り、かつては青函連絡船との接続駅として、太平洋側からは東北本線、日本海側からは奥羽本線と、数多くの優等列車が北海道を目指してこの青森駅に集結していました。上野~青森を奥羽本線経由で結んだ急行「津軽」もその一つでした。下りは夜に上野を出発し奥羽本線経由で青森に昼前に到着。上りは夕方に青森を出発。夜に秋田を通り、明朝上野駅に到着するダイヤで、東北各地と東京を結ぶ列車の一つでした。そんな急行「津軽」が2022年に青森~秋田間2022年に2日のみ復活しました。

青森駅に停車中の急行「津軽」。
奥羽本線 青森
■往年の急行「津軽」を感じることができるスジ
2022年7月2日、青森駅には国鉄型の赤い電気機関車ED75と、青い12系客車がブロア音とエンジン音を響かせながら停車していました。この日の牽引機は秋田総合車両センター所属のED75 767号機と、客車使用のイベント列車ではおなじみのぐんま車両センター所属の12系5両です。こうした編成はかつて日常的に見られましたが、近年は電気機関車の引退や客車のさらなる減少により、滅多に見られない光景となってしまいました。
急行「津軽」は青森駅を16時3分に出発。汽笛を鳴らし、引き出し時連結器から響く「ガコン」という音ともにゆっくりと動き出しました。

青森駅ホームの発車標。
年代にばらつきはありますが、現役当時の急行「津軽」も16時ごろに出発していたようです。つまり、秋田までは当時の急行「津軽」を追体験できる列車になっていました。
■夕暮れから夜汽車へ
青森を出発すると、弘前、大舘と主要駅に停車しながら夕暮れの奥羽本線を快走していきます。大舘を過ぎたあたりから車内には西日が差し込み、客車列車特有の揺れも相まってノスタルジックな時間が流れます。

夕暮れ時になると西日が車内に差し込む。
秋田に近づくにつれて外は暗くなり、蛍光灯の明かりが車内を照らす夜汽車の雰囲気となりました。秋田駅手前で「ハイケンスのセレナーデ」のチャイムが流れると終点の秋田到着放送です。19時33分に秋田駅に到着し、3時間半の客車旅が終わりました。

この後、ED75 767号機は秋田に残った最後のED75となった。
奥羽本線 秋田
幹線を走行する客車列車に乗る機会はかなり減ってきており、電気機関車の相次ぐ引退もあり、このような往年の列車を再現したイベント列車も少なくなりました。このような楽しいイベント列車が今後も運行されることを期待したいと思います。


