取材日:‘22.5.5~5.6
text & photo:福島鷺栖
■北陸本線の残り香を求めて
2015年の北陸新幹線金沢開業により、旧北陸本線の富山県区間が分離され誕生した第三セクターの「あいの風とやま鉄道」には、JR西日本から承継された国鉄型の413系が5編成所属していました。北陸地域色や新北陸色といったJR時代の塗装のまま活躍していた3編成が引退し、現在ではラッピング列車「とやま絵巻」と、観光列車として活躍している「一万三千尺物語」の2編成が活躍しています。
今回は、あいの風とやま鉄道所属の413系の中でもとりわけ「新北陸色」をまとい人気だったAM02編成のラストランツアーを撮影した際の様子を振り返っていこう思います。

イベント列車出庫時の様子。新北陸色と北陸地域色の混結が過渡期を彷彿とさせる。
【写真】まもなく復活する新北陸色!3年半前のラストラン時の様子を写真でもっと振り返る!
■急行型改造の近郊型電車
まず413系とは、主に北陸本線のローカル運用で活躍した車両です。現在では、米原~敦賀のみとなった北陸本線ですが、北陸新幹線開業までは直江津までの長大路線として日本海縦貫線の一翼を担った日本の大動脈の一つでした。糸魚川や敦賀構内には交直セクションも設けられており、ローカル運用にも交直流車が基本的には入っていました。413系は車体こそ713系や417系などで見られた両開きドア2扉というスタイリングでしたが、455系などの急行型電車が種車とした改造車であることも、この形式の大きな特徴です。
そんな413系の中でも、新北陸色とよばれる白地にブルーの帯が入った塗装は、平成の北陸本線を行き交う普通列車の代表的な地域色として知られており、レイル・ファンにも長く親しまれた塗装でした。今回の主役であるAM02編成は特に三セク転換後もその塗装を維持したため特に人気が高く、ラストランイベント当日には多くのレイル・ファンが沿線にかけつけました。

ツアー一日目となった5月5日の復路。撮影地には多くのレイル・ファンがその雄姿を一目見ようと駆け付けた。
2022.5.5 あいの風とやま鉄道 東富山~水橋
ツアーは二日間行われ、編成は高岡方にAM02編成(新北陸色)、魚津方にAM05編成(北陸地域色)をつなげた編成で運行されました。運転区間は二日間とも富山→魚津→高岡→富山で運行され、高岡駅では構内入換体験などもありました。
また、イベント当日は列車にもヘッドマークが掲出されたほか、サボなどにも413系にゆかりのあるデザインが用いられていました。その一部を写真でご紹介していきたいと思います。

普段は編成間は繋げずに運行されていたが、この日は幌を繋げた6両編成での運行となった。
‘22.5.5 あいの風とやま鉄道 東富山~水橋

編成でそれぞれ異なるヘッドマークが掲出された。AM02編成にはかつて運行された「ホリデーライナーかなざわ」を模したデザインのヘッドマークが掲出された。
‘22.5.5あいの風とやま鉄道 高岡

AM05編成にはかつて北陸地域の普通列車に掲出されていた「TOWNトレイン」のヘッドマークを模したデザインのものが掲出された。
‘22.5.5 あいの風とやま鉄道 富山

途中の高岡駅ではJR時代の駅名表と一緒に撮影することもできた。
‘22.5.5あいの風とやま鉄道 高岡

方向幕は写真の「直江津」の他にも「米原」、「敦賀」、「福井」といった北陸本線時代に掲出した行先が表示された。

旧北陸色を模したサボ。
ツアー最終日となった5月6日には多くのレイル・ファンが最後の雄姿を見送りに富山駅に詰めかけました。多くの人に見送られながらその有終の美を飾った新北陸色ですが、先日えちごトキめき鉄道でその塗装が復活することが発表されました。平成の北陸本線を代表する塗装が復活し、また北陸の国鉄型車両から目が離せなくなりそうです。

多くの人に見送られた新北陸色がまた見られる日が待ちきれない。





