text:鉄道ホビダス編集部

‘25.10.04 山手線 代々木 P:堀 裕一
(今日の一枚より)
鉄道車両に昔の塗装やラッピングを施し、往年の姿を再現するリバイバルカラーたち。レイル・ファンでなくても、往年の姿を目にするとやはり懐かしい気持ちになったり、昔を知らない世代にとっては逆に新鮮に映ることでしょう。ここでは関東各地で見られるリバイバルカラーやラッピングを施した車両たちの一部をご紹介。列車に乗ってタイムスリップ気分を味わってみてはいかがでしょうか。
【写真】懐かしの姿が復刻!首都圏で見られるリバイバルカラーの車両たちをもっと見る
■東横線時代の勇姿再び 東急9000系赤帯復刻車
東急大井町線で活躍を続ける9000系。新型車両である6020系の各駅停車用5両編成が登場したことで置き換えが開始され、現在も進行中ですが、それに先立ち2025年4月より大井町線用9000系の前面帯を赤帯に復刻した編成が登場しました。これは古巣である東横線時代をイメージしたものとなっており、大井町線に転属した際にオレンジから黄色へのグラデーション帯になっていたものを赤帯に戻した形になります。
■新京成合併でバリエーション豊かに 京成リバイバルカラー各種
京成電鉄は3600形のうち6両編成最後の1本が登場時のファイヤーオレンジに復刻されています。これは2020年に復活したもので、他の現行カラー(赤と青の帯)の編成が次々と引退していく中、このファイヤーオレンジの3688編成が6両編成として最後まで残りました。
また、新京成電鉄が2025年4月に京成電鉄へと合併されたことで、新京成電鉄に在籍したN800形と8800形のリバイバルカラーも京成電鉄の所有となりました。そのうちN800形には新京成電鉄時代まで「SHIN-KEISEI」の旧ロゴが掲げられていましたが、合併に伴いこちらは剥がされることになりました。
■還暦を過ぎても現役!東武8000系8111F
1963年の登場以来今なお現役の東武8000系。そのうち東武スカイツリーライン(野田線)で活躍する8000系は、東上線で2011年まで活躍し、以降は東武博物館所有の動態保存車として現役の8111Fが営業運転に就いていることが特筆されるでしょう。動態保存車の一般営業列車という形態も珍しいですが、この8111Fは8000系の修繕車の中でも、前面スタイルに変更がなく比較的デビュー当時の面影を色濃く残す初期修繕車ということで注目を集めています。カラーリングはデビュー当時のツートンカラーを纏っており、他の8000系との違いは一目瞭然。沿線からも愛されている電車ですが、新型車両の80000系の導入も進んでおり、去就が注目されています。
■京王ファン待望のリバイバルが予告!京王7000系旧塗装

(京王電鉄プレスリリースより)
京王7000系のリバイバルは記事編集中の2025年10月9日現在でまだ出場しておりませんが、プレスリリースによりまもなく登場予定なのが明らかになりました。
京王電鉄は2026年1月より新型車両2000系の運行開始を予定しており、京王現役最古参の7000系は動向が注目される車両となります。そこへ突然のリバイバルカラー発表ということで、レイル・ファンを中心に大きな話題となりました。このリバイバルではカラーリングをアイボリーとえんじ色の旧塗装に戻すだけではなく、ナンバープレートや社名板といった細かい部分までも新しく製作した上で取り付けられるという、かなり気合の入ったものになることが予定されています。
■山手線に103系と205系が帰ってきた!?
山手線E235系で現在行われている山手線環状運転100周年記念ラッピングは、103系と205系というかつての山手線車両のデザインを復刻したものになっています。こちらはその車両が元々纏っていたカラーリングではないものの、車両のデザイン自体を昔の姿へ復刻するという意味合いではリバイバルと言えるのではないでしょうか。
103系デザインは晩年活躍した高運転台風のデザインに、205系デザインはスカートまで205系風のグレーに塗装されたものとなっており、芸の細かさに驚かされます。また、E235系自体前面がフラットなデザインなため、四角い印象のある国鉄通勤型電車のデザインも上手く「着こなしている」印象があります。ラッピング期間は10月4日(土)~11日3日(月・祝)までと約1ヶ月のみの運行となりますので、記録したい方はお早めに。
首都圏近辺だけでもこれだけの数リバイバルカラーの車両が多く活躍している現在。古い車両が消えゆく前に、ぜひ記録や思い出に残しておきたいところですね。



