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簡単一手間で超リアルに!休日1日で鉄道模型の貨車を組み立て「自分だけの車両」にメイクアップしよう!

2025.09.30

情景・完成モデル写真:浅水浩二
本文・製作・製作途中写真:瀧口宜慎(RML)

 昨年登場したマイクロエース未塗装キット テラ1は、完成品をパーツ単位でばらしたキットであるものの、リーズナブルな価格と、「自分で組み立てた」という点が完成品にはない達成感をくすぐり、さらに自分ならではの味付けによって、「自分だけの車両」という愛着を沸かせる好製品になっています。さて、ここではテラ1を組み立てるコツなど紹介していこうと思います。

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■どんなパーツ構成?

 こちらがマイクロエースのテラ1キット1両分のパーツです。車体は一体成型のため接着の必要はありませんが、細かいネジが多いので取り違えたり無くしたりように気を付けたいところです。

■テラ1の作り方

 まず用意すべき工具は、基本のピンセットと精密プラスドライバーに加え、カッターナイフが必要となります。逆に言えばこれだけの簡単な工具さえ用意できればあとはすぐに組み立てられるのも嬉しいポイントです。
 まずは車両の台枠(車体の床の部分)のカプラーポケット(連結器を止めておくポケット)に黒色塩ビ板によるカプラー板バネを差し込みます。続いてそのカプラーポケットにアーノルトカプラーを向きに気を付けて差し込みます。この時、各模型メーカーから発売されている自分のお気に入りのカプラーを差し込むんでも大丈夫です。カプラーポケットの蓋をネジ止めしたら、床上にウエイト(重り)をネジ止めします。これも付属の縁付きネジで止めましょう。

 続いては車体標記をデカールを貼って再現します。まずデカールシートから車体標記を切り出します。カッターがあると良いですが、ハサミで代用もOKです。こうした「水転写デカール」は小皿に水を差し、しばらく漬け込むと文字膜がシートからズレてくるので、ピンセットで取り上げることで貼り付けることができます。古くから自動車プラモデルなどに親しんだ方にとってはお馴染みのものなのではないでしょうか。
 そして説明書に指定された位置を(所属区と車番の関連性も)確認しながらピンセットで貼付。手スリと干渉するデカールは事前に切れ込みを入れるかカットしておくと貼りやすいです。貼り付いたら綿棒に水、またはデカールソフターをしみこませ、デカール表面を軽くなでるように位置を微調整し、綿棒を転がすように密着させて完成です。

■このままだとちょっと不安だから…

 さて、最後に台枠と車体を合体させることでほとんど車両は完成となります。が、そのままではプラスティックの地の色がそのままで、少し重厚感に欠けます。さらに水転写デカールはそのままでは剥がれる心配もあるので、このまま保管するのは不安が残ります。

 そこで「GSIクレオス・Mrスーパークリアーツヤ消し」スプレーを全体にひと吹きしてみると、車体がツヤ消しになることで、貨車らしい落ち着いた黒色になることで少し重厚感や「鉄道車両っぽさ」が出てきます。さらにクリアーを吹いたことで表面保護になるので、デカールがすぐに剥離する心配もなくなりました。

 これで完成!としても良いのですが、今回はさらにここからもう一手間加えようと思います。それが「ウェザリング」と呼ばれる汚し塗装です。ウェザリングにはタミヤの「ウェザリングマスターHセット」を使用。テラ1は水気を嫌う顆粒・粉体の袋詰めを輸送していた車両であるため、車体には明るい黄土色で汚すことで現役時代らしい埃っぽさを表現してみます。足廻りはタミヤのスミ入れ塗料(ブラウン)で色差しをして、くすんだ足廻りとしてみました。このように車両が運用される背景や地域に応じた汚しができるとより模型にリアリティが生まれます。モデラーなるもの、リサーチは怠らないようにしたいですね。

■休日1日で完成!貨車を汚して重厚感ある仕上がりに!

 袋詰め粉体輸送用のため、全体的に粉が吹いた様に仕上がったテラ1。長年の使用からくたびれた感じも出たと思います。なお足踏みブレーキ用手スリも白色に色差しをすることで、黒一色で単調になりがちな貨車に情報量を加えてより精密感を出してみました。

 さて、今回は簡単な貨車キットをベースにちょい足しでリアルな風合いに仕上げてみました。鉄道模型をやるとなるとどうしても超大編成や大きなレイアウトなどに憧れますが、こうした小さいものから手を入れていくのもまた愉しみの一つです。ぜひあなたも「自分だけの貨車」を作ってみてはいかがでしょうか。

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