text & photo:上石知足(鉄道ホビダス)
協力:タカラトミー

「プラレールリアルクラス」シリーズから、先日新たに「寝台特急富士」が発売されました。基本的には昨年発売された「ブルートレインあさかぜ」のバリエーション品ではありますが、よく観察してみると細かく違いがあるほか、嬉しいパーツ類も付属していました。今回は発売直後のこの製品を、いち早く編集部がその製品の魅力について詳しく迫っていこうと思います!
【写真】国鉄仕様の寝台特急「富士」!ブルートレインのプラレール写真を詳しく見る!
寝台特急「富士」と東京〜九州間のブルートレイン
東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年に運行開始された寝台特急「富士」。当初は東京〜大分間を走る列車でしたが、翌1965(昭和40)年には日豊本線経由で西鹿児島まで運転区間が延長。1574.2kmを約25時間かけて走り、当時は日本最長距離を結ぶ定期特急列車として名を馳せました。
また、1985年からはそれまで専ら貨物運用に就いていたEF66がいよいよ花形のブルートレインの牽引に当たるようになり、その際に富士山を模した山型のヘッドマークも取り付けられました。これは当時のレイル・ファンたちから人気を集め、まさに「ブルートレインブーム」時代を象徴する列車の一つになりました。
とはいえ、国鉄の分割民営化に前後して、新幹線や夜行バスなどが台頭してきたことによりブルートレインにも陰りが見えてきたのはよく知る通りでしょう。「富士」もその煽りを受ける形となり、運行区間も最終的には大分まで短縮されたほか、2005年からは「さくら」廃止でペアがいなくなった「はやぶさ」と併結運転するようになります。
そしてこの「富士・はやぶさ」も2009(平成21)年3月に廃止され、東京発九州行きのブルートレインの歴史は幕を下ろしました。
今回は国鉄仕様のEF66 ナンバーは短命だった40号機

国鉄仕様のEF66 40号機。銘板には東洋電機と川崎重工の社名が入る。
今回のプラレールリアルクラスでは、「富士」単独運転時代の編成をプロトタイプとしており、機関車・客車ともにJRマークがない、国鉄仕様での製品化となります。往年を知る世代にとっては、まさに思い出の時代の姿となることでしょう。
そして気になるEF66の今回のナンバーは40号機。東洋電機・川崎重工製で、1975年に落成。生涯を通して下関運転所に所属した機関車です。民営化後はJR西日本に承継されたものの、九州ブルトレの晩年を待たずして1995年に廃車されています。活躍した期間は約20年と、これはEF66全体の中で特に短命のナンバーとなりました。
「富士」だけじゃない!「はやぶさ」にもできる!付属シール

付属シールによって好みの列車に変えることもできる。24系時代の「富士」と「はやぶさ」は実車でも共通運用であった。
今回の「寝台特急富士」は、製品名こそ「富士」の名前を冠していますが、交換用に「はやぶさ」のヘッド・テールマークのシールも付属しています。実際も「富士」と「はやぶさ」は共通運用であったことから、同じ編成でもマークを変えれば違う列車に仕立てることが可能となっています。さらにテールマークに関してはイラスト入りのマークと、往年の文字だけのマークの2種類から選べるようになっているのも嬉しいポイント。どちらも選べない!という方は複数個を手に入れて、それぞれの列車・仕様にするという楽しみ方もできるでしょう。

すでに発売されている車両の中には往年の東海道線東京口らしい車種も多数ラインナップされる。80〜90年代の懐かしい情景の再現も手軽に楽しめそうだ。
次々とブルートレインのラインナップも増えつつあるプラレールリアルクラスシリーズ。往年の東京駅を再現したり、113系との離合シーンを楽しんでみたりと、大人も十分に満足ができる製品展開と言えるでしょう。続々と新製品も登場しており、今後も楽しみなシリーズとなっています。





