京王電鉄は2月7日、9000系10両編成を順次リニューアルし、2025年春には10両1編成の営業運転を開始することを発表した。9000系10両編成車は、2006年1月より都営新宿線への乗り入れ仕様の車両として営業運転を開始し、約20年の間、京王線や都営新宿線で運用されてきた。今回のリニューアルでは、VVVFインバータ制御装置やSIV装置(車両用補助電源装置)の更新によりカーボンニュートラルを推進するとともに、座席や床など、客室内の設備も刷新する。旅客の様々な移動ニーズに対応できるよう、全車両にフリースペースが設置されるほか、都会的で飽きのこないデザインに仕上げ、時代が変わっても愛される車両を目指す。
なお、9000系10両編成車1編成の営業運転開始に合わせて、外装ラッピングも刷新される。同社によれば、外装ラッピングの詳細は確定次第周知される。詳細は以下の通り。
▲リニューアルが発表された京王9000系10両編成車(30番台)
‘13.3.3 京王電鉄相模原線 橋本―多摩境 P:秋元史行
(鉄道投稿情報局より)
■導入時期
2025年春以降順次
■対象車両
9000系10両編成
※現時点では、8両編成車のリニューアルは計画にない。
■環境性能
環境性能をさらに高める施策としてフルSiC(シリコンカーバイド)素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置(VVVF未搭載車と比較して約70%、現行9000系車両と比較して約20%の省エネ性能向上)を導入し、消費電力のさらなる削減や車両の軽量化によるカーボンニュートラルの実現を目指す。 また、SIV装置も更新し、省エネ性能のさらなる向上を図る。
■サステナブルに関する取り組み
時代とともに変化するお客さまの多様な移動ニーズに応えられるよう、すべての車両にフリースペースを設置。また、全体の色調を落ち着いた色に統一し、飽きのこないデザインを目指す。
■内装デザインについて
天井から床までをモノトーンに統一することで、スタイリッシュでモダンな空間を演出する。さらに、床から天井に向かって段々と明るく配色することで、限られた空間を広く見えるようにした。
座面は、八王子市の伝統工芸品である多摩織物をモチーフとし、繊細な手触りや感触をイメージしたデザインとなっている。
背摺りは、商業施設や高層ビルが立ち並ぶ景観をイメージした幾何学模様を採用し、生地にグラデーションを使うことで、郊外から都心へと移り変わる街並みの明るさを表現している。
2026年初めに導入を予定している2000系の設計を活かし、一般座席の縦握り棒を増設したほか、優先座席の縦握り棒にディンプル加工(滑り止め防止)が施してある。
▲更新前後の内装の比較(京王電鉄プレスリリーフPDFより)
■動画公開
京王電鉄の社員によるリニューアル後の9000系のこだわりポイントを紹介するショート動画が公開されている(URL:https://youtube.com/shorts/1paoi4DSrw4?feature=share)。