text & photo(特記以外):上石知足(鉄道ホビダス)
都心部を走る鉄道は、通勤型から中距離を走る近郊型、さらには地方と都市を結ぶ花形の特急型まで様々な列車が行き交います。その圧倒的な輸送量に対応するため、複々線となっている区間も少なくありません。今回はそんな「複々線」に着目して、鉄道模型の門を叩いてみることにしましょう。
【写真】Nゲージで複々線を始める!使う製品は?楽しみ方を写真で見る!
■複々線から始めるという選択
Nゲージを始める、となるとほとんどの方は各メーカーから発売されている車両とレールがオールインワンの入門セットから…というのが一般的かと思います。 確かに色々買い揃えなくても、手軽に鉄道模型に触れられますが、「より都会的で、もっとダイナミックな鉄道風景を再現したい!」という声もあるかと思います。 そこで、ここではKATOの複線レールを使って、一気に複々線から組んでみることにしてみました。また、ここでは鉄道模型にある程度慣れ親しんだ方にとって、もう一度初心に帰って始めるプランとして複々線はどうなるか、という点も含めて検証していこうと思います。
■「見どころ」として駅を設置
単調になりがちなフロアレイアウトにおいて、駅というストラクチャーがもたらす効果は絶大です。 そこで今回はレイアウトに駅も組み込み、見た目や運転に変化をつけてみることにしました。鉄道模型のレイアウトに駅が加わるだけで、発車→走行→減速→停車という、「鉄道らしい」動きをつけることができ、より運転も楽しくなるもの。スペースが許す限り、できるなら置きたいストラクチャーです。
■KATO ユニトラックで始める複々線
KATOユニトラックの複線レールで複々線を組んでみました。使用したレールは「V11 複線線路セット」「V16 外側複線線路セット」「V15 複線駅構内線路セット」で基本となるプランを作ります。駅は「近郊形橋上駅舎」、「近郊形橋上駅舎拡張セット」、「近郊形ホームDXセット 島式A」×2セット、「近郊形ホームDXセット 島式B」×2セットを用意。さらにライトユニットやホームドアも調達。ホームの一部にこれらを取り付けています。
用意したセット一式を組むと長辺は約3m越え!ホームの有効長が大体6両ほどですが、そこさえ気にしなければ長編成でも余裕を持って走れるレイアウトサイズです。さらにカーブはカント付きとなるので、編成が長くてもゆったり楽しめます。特にカーブに進入する時、徐々に車体を傾けながら通過していく様は、つい目線を落として眺めたくなってしまいます。
とはいえ、自宅でそこまで大きいスペースを取るのは難しいというもの。駅を外したV11+V16のプランでは長辺約2.5mに抑えることができ、適宜直線レールを外してコンパクトにするという手段もあります(短辺は共通して約1.4m)。
もちろん複線レールを素直に組むだけでも2列車のすれ違いを楽しむことができます。まずはレールと車両を揃えて、自宅で複数の列車が走るシーンを実現させてみるのはいかがでしょうか。